釜石市:東日本大震災(地震、津波)被害、復興状況まとめ

東日本大震災による釜石市の被害と復興状況をまとめています。

最終更新日:2012年12月1日
※ 旧マップはこちら黄色の津波境界線の説明はこちら
※ 「被害動画」のリンク先は震災当時を想起させるのでご注意ください。



鉄道 高速道路
仮設,災害公営住宅 仮設商店街
その他
一般道優先・・・・高速を使わない
有料道路を避ける・・・・高速+有料道路を使わない
※ マップ右クリックでメニューがでます。
※ マップ左の人型アイコンを青く表示される道路にドラッグ&
  ドロップすれば現地のパノラマ画像が見れます。
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2012/11/9時点の釜石市の被害状況※ 岩手県HPのデータより

死者数:888
行方不明者数:153
死亡認定者数:152
避難者数:0
避難所数:0
住宅、建物被害(全壊数+半壊数):3654
仮設住宅建設戸数:3164 (完成度100%)
仮設住宅建設箇所数(団地数):50
※ 釜石市の避難所は8/10に全て閉鎖されました。
※ 岩手県の仮設住宅一覧はこちら

平成22年(2010年)の国勢調査時の釜石市の人口と世帯数
人口:39,578名
世帯数:16,095

平成23年、年齢3区分の人口移動(増加は人口流入、減少は人口流出)

0~14歳 15~64歳 65歳以上 合計
平成23年 -127 -310 -323 -760
平成22年 -39 -112 -65 -216

※ 住民基本台帳に基づく2012年1月末の総務省発表データ。
※ 平成22年は参考


2012/10/31時点の災害廃棄物(震災がれき)処理状況 ※環境省公表資料より

がれき推計量 ※1:82万トン
がれき推計量 ※2:56万トン
※1:浸水区域の衛星画像を基に環境省が算出。
※2:仮置き場の測量や、搬入済量を基に算出等、自治体が現地調査を基に算出。

仮置場数:9
がれき推計量に対する仮置場への搬入率:91%

処理・処分量:6万3千トン
※内訳 再生利用量:3万7千トン、燃料利用量:0トン
    焼却処理量:1万6千トン、埋立処分量:1万1千トン
処理・処分割合:11.3%
処理・処分の目標期日:平成26年3月

※ 破砕・選別等により有価売却、原燃料利用、焼却やセメント焼成、
  埋立処分等により処理・処分された量。

【釜01】釜石市中妻町仮設団地(昭和園グラウンド)
 ・建設戸数:118戸 ・建設地:釜石市中妻町3丁目3地内
【釜02】釜石市上中島町仮設団地(上中島多目的グラウンド)
 ・建設戸数:185戸 ・建設地:釜石市上中島町3丁目5
【釜03】釜石市鵜住居町仮設団地(田郷地区民有地)
 ・建設戸数:191戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第5地割地内
【釜04】釜石市栗林町仮設団地(栗林地区民有地)
 ・建設戸数:87戸 ・建設地:釜石市栗林町第17地割地内
【釜05】釜石市平田仮設団地(旧県立釜石商業高校跡地)
 ・建設戸数:111戸 ・建設地:釜石市大字平田第6地割地内
【釜06】釜石市野田町仮設団地(野田中央公園)
 ・建設戸数:36戸 ・建設地:釜石市野田町1丁目地内
【釜07】釜石市野田町第2仮設団地(野田西公園)
 ・建設戸数:49戸 ・建設地:釜石市野田町2丁目16
【釜08】釜石市定内町仮設団地(向定内公園)
 ・建設戸数:42戸 ・建設地:釜石市定内町三丁目4
【釜09】釜石市小佐野町仮設団地(旧釜石市立小佐野中学校グラウンド)
 ・建設戸数:59戸 ・建設地:釜石市小佐野町3丁目5
【釜10】釜石市桜木町仮設団地(釜石市市民体育館グラウンド及び駐車場)
 ・建設戸数:113戸 ・建設地:釜石市桜木町1丁目1
【釜11】釜石市鵜住居町第2仮設団地(日向地区民有地)
 ・建設戸数:199戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第29地割地内
【釜12】釜石市甲子町仮設団地(松倉地区民有地)
 ・建設戸数:125戸 ・建設地:釜石市甲子町第10地割松倉地内
【釜13】釜石市天神町仮設団地(旧釜石小学校及び旧釜石第一中学校跡地)
 ・建設戸数:【第1期】127戸
       【第2期】12戸 ・建設地:釜石市天神町5
【釜14】釜石市平田第2仮設団地(旧県立釜石商業高校グラウンド北側)
 ・建設戸数:123戸 ・建設地:釜石市大字平田第6地割地内
【釜15】釜石市箱崎町仮設団地(箱崎地区民有地)
 ・建設戸数:82戸 ・建設地:釜石市箱崎町地内
【釜16】釜石市唐丹町小白浜仮設団地(唐丹地区民有地)
 ・建設戸数:49戸 ・建設地:釜石市唐丹町字小白浜地内
【釜17】釜石市栗林町第2仮設団地(道々地区民有地)
 ・建設戸数:66戸 ・建設地:釜石市栗林町第17地割道々地内
【釜18】釜石市鵜住居町第5仮設団地(長持橋下流側民有地)
 ・建設戸数:69戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第4地割長持地内
【釜19】釜石市鵜住居町第4仮設団地(川目地区南側民有地)
 ・建設戸数:24戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第3地割川目地内
【釜20】釜石市鵜住居町第3仮設団地(太田地区民有地)
 ・建設戸数:20戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第2地割太田地内
【釜21】釜石市甲子町第3仮設団地(旧釜石市立小川小学校グラウンド)
 ・建設戸数:56戸 ・建設地:釜石市甲子町第15地割地内
【釜22】釜石市甲子町第4仮設団地(近隣公園運動場)
 ・建設戸数:66戸 ・建設地:釜石市甲子町第15地割中小川地内
【釜23】釜石市甲子町第2仮設団地(大畑地区南側民有地)
 ・建設戸数:45戸 ・建設地:釜石市甲子町第9地割地内
【釜24】釜石市大平町仮設団地(釜石市営大平住宅跡地)
 ・建設戸数:17戸 ・建設地:釜石市大平町2丁目6
【釜25】釜石市箱崎町第2仮設団地(箱崎地区北側民有地)
 ・建設戸数:6戸 ・建設地:釜石市箱崎町地内
【釜26】釜石市甲子町第5仮設団地(大畑地区南側民有地その2)
 ・建設戸数:27戸 ・建設地:釜石市甲子町第9地割地内
【釜27】釜石市甲子町第7仮設団地(大畑地区西側民有地)
 ・建設戸数:36戸 ・建設地:釜石市甲子町第8地割地内
【釜28】釜石市平田第5仮設団地(平田公園野球場隣接地)
 ・建設戸数:42戸 ・建設地:釜石市大字平田第5地割地内
【釜29】釜石市甲子町第9仮設団地(大松地区民有地)
 ・建設戸数:120戸 ・建設地:釜石市甲子町第3地割地内
【釜30】釜石市唐丹町川目仮設団地(唐丹地区民有地)
 ・建設戸数:67戸 ・建設地:釜石市唐丹町字川目地内
【釜31】釜石市唐丹町大曾根仮設団地(大曾根地区民有地)
 ・建設戸数:29戸 ・建設地:釜石市唐丹町字桜峠及び大曾根地内
【釜32】釜石市甲子町第8仮設団地(大畑地区北側民有地)
 ・建設戸数:12戸 ・建設地:釜石市甲子町第9地割地内
【釜33】釜石市釜石仮設団地(大平地区市有地)
 ・建設戸数:19戸 ・建設地:釜石市釜石第16地割地内
【釜34】釜石市大只越町仮設団地(大只越地区市有地)
 ・建設戸数:12戸 ・建設地:釜石市大只越町1丁目地内
【釜35】釜石市鵜住居町第8仮設団地(日向地区国有地)
 ・建設戸数:17戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第29地割地内
【釜36】釜石市箱崎町第3仮設団地(旧釜石市立白浜小学校グラウンド)
 ・建設戸数:20戸 ・建設地:釜石市箱崎町第1地割1-5
【釜37】釜石市唐丹町荒川仮設団地(荒川地区集会所跡地)
 ・建設戸数:18戸 ・建設地:釜石市唐丹町字荒川146-2
【釜38】釜石市両石町女遊部仮設団地(女遊部地区公有地)
 ・建設戸数:8戸 ・建設地:釜石市両石町第4地割女遊部地内
【釜39】釜石市鵜住居町第7仮設団地(鵜住居地区民有地)
 ・建設戸数:16戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第25地割10-9
【釜40】釜石市唐丹町大石仮設団地(旧釜石市立大石小学校グラウンド)
 ・建設戸数:6戸 ・建設地:釜石市唐丹町字大石地内
【釜41】釜石市平田第3仮設団地(尾崎白浜地区民有地)
 ・建設戸数:17戸 ・建設地:釜石市平田第7地割及び第8地割地内
【釜42】釜石市平田第4仮設団地(佐須地区民有地)
 ・建設戸数:13戸 ・建設地:釜石市平田第9地割地内
【釜43】釜石市栗林町第3仮設団地(栗林地区公有地)
 ・建設戸数:32戸 ・建設地:釜石市栗林町第20地割地内
【釜44】釜石市鵜住居町第6仮設団地(長持橋上流側民有地)
 ・建設戸数:12戸 ・建設地:釜石市鵜住居第4地割長持地内
【釜45】釜石市栗林町第4仮設団地(栗林地区排水処理場近接民有地)
 ・建設戸数:111戸 ・建設地:釜石市栗林町第24地割及び第25地割地内
【釜46】釜石市栗林町第5仮設団地(砂子畑集会場近接民有地)
 ・建設戸数:36戸 ・建設地:釜石市栗林町第21地割及び第22地割地内
【釜47】釜石市平田第6仮設団地(平田多目的グラウンド)
 ・建設戸数:240戸 ・建設地:釜石市大字平田第5地割地内
【釜48】釜石市鵜住居町第9仮設団地(日向地区西側民有地)
 ・建設戸数:6戸 ・建設地:釜石市鵜住居町第29地割地内
【釜49】釜石市甲子町第10仮設団地(大畑地区東側民有地)
 ・建設戸数:41戸 ・建設地:釜石市甲子町第8地割地内
【釜50】釜石市甲子町第6仮設団地(松倉地区サッカー場)
 ・建設戸数:138戸 ・建設地:釜石市甲子町第10地割地内
  復興の遅れ:利用が低調な二重ローン救済制度(概要へ)
   対象:  内容:  (ID:1)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  復興の遅れ:利用が低調な二重ローン救済制度(見出しへ)
 
   最終更新日:2012年10月25日。
   ※ 個人版私的整理ガイドライン、東日本大震災事業者再生支援機構、
     産業復興機構の運用状況を更新。
   ※ 記事を全面的に加筆・修正。
   
   東日本大震災で震災以前から借金がある方が、再出発に向けた住宅の建設、
   会社再建のために新規ローンを組むことで発生する二重ローン
   
   東日本大震災では被災者の生活支援、事業再建支援、復興促進のため、
   二重ローン解消策として下記の債務減免制度と金融機関からの債権買取機構が
   設立されています。
   
   ・個人の被災者向けの個人版私的整理ガイドライン
   ・被災中小企業向けの産業復興機構
   ・被災小規模事業者、農林水産業者、病院分野を対象にした東日本大震災
    事業者再生支援機構

   
   これら二重ローン救済制度、機構の説明と利用状況についてです。
   
    
    
    
   ・個人版私的整理ガイドライン
    ※ ガイドラインの説明、対象者、債務整理決定者数
   
     ガイドラインの利用が進まない背景
   
   ・東日本大震災事業者再生支援機構
    ※ 支援機構の説明、対象事業者、利用状況
   
   ・産業復興機構
    ※ 復興機構の説明、対象事業者、債権買取件数
   
   ・両機構による債権買取が進まない背景
   
   
   
    
    
    
   個人版私的整理ガイドライン
   
    震災前の借金返済が困難になった被災者の方を対象に、法的な破産手続きを取らずに
    被災者と金融機関の話合いで一定の要件の下、債務を減免または免除する制度です。
   
    2011年8月22日に銀行協会、日本弁護士連合会が政府の方針を受けて作成しました。
    ※ ガイドラインの詳細はこちら
   
    岩手弁護士会の弁護士小口幸人氏によるガイドラインの説明動画。
     ・個人版私的整理ガイドラインの説明動画、岩手県版
     ・個人版私的整理ガイドラインの説明動画、宮城県版
     ・個人版私的整理ガイドラインの説明動画、福島県版
   
     動画によると制度の利用は早いほど免除額が大きく、本来ならローン返済に
     あてる資金を今後の生活再建にまわせます。
   
    
    ガイドラインの特徴
   
     ・自己破産の法的整理を取らないため、個人情報登録による不利益を回避。
     ・債務整理後も新規ローンを組めます。
     ・運営委員会が申請書類の準備や弁済計画の作成を支援する弁護士を紹介します。
      弁護士費用は国が全て負担。
     ・減免後の弁済期間は原則5年。
   
     ・残せるものは破産手続きにおいて「自由財産」と扱われる財産です。
      ※ 自宅や土地は自由財産ではありません。
      ※ 建物や土地の価値に相当する金額を債権者に支払うことで、
        建物や土地を持ち続ける弁済計画案を認めています。
   
     以下ガイドラインのQ&Aより一部抜粋。自由財産の例
   
     ① 債務整理の申出後に、新たに取得した財産
     ② 差押禁止財産(生活に欠くことのできない家財道具等)
      ※ 高価でない車、生活再建支援金、災害弔慰金・見舞金、義援金等
     ③ 現金(上限有り)
      ※ 東日本大震災では最大500万円に拡張。
     ④ 破産法第 34 条第4 項に基づく自由財産の拡張に係る裁判所の実務運用に従い、
      通常、自由財産とされる財産
   
   
    債務整理成立件数
   
     岩手県:21件、宮城県:62件、福島県:9件、他県:8件
     相談件数:3052件
     利用を希望して手続きを進めているのは約835件。
     ※ 2012年10月24日時点
     ※ 参考:個人版私的整理ガイドライン運営委員会
   
    
    
    ガイドラインの利用が進まない背景
   
    被災者の二重ローン救済制度として当初国は1万件の利用を見込むも、
    低調な利用状況が続くガイドライン。その背景にある事情の紹介です。
    
     財産を手放すことへのためらい
     制度の詳細を知った相談者の40%ほどの方
     「自宅は手放したくない」「土地がいくらで売れるか分からず、判断できない」
     引用:朝日新聞(2012/10/22)
   
    
     制度の対象外
      相談者の20%ほどの方
      世帯所得が比較的高かったり財産額が借金額を上回ったりするなどして
      要件に合わず、制度を使えない。
      引用:朝日新聞(2012/10/22)
   
      宮古市の家族4人で暮らす家族の例。
      住宅ローンの残額は2000万円。収入は夫婦あわせて30万円あるものの、
      災害公営住宅の家賃は8万円の試算。小中学校の子供も2人いる状況のため、
      生活が苦しくガイドライン利用を相談。
    
      しかし運営委員会岩手支部の担当者からは、夫婦が震災後も仕事を失って
      いないことを理由に「ガイドラインは本当に困っている人の制度」と利用に難色。
      参考:毎日新聞(2012/8/12)
   
    
     新規融資への影響が不安
      仙台市の弁護士「金融機関の同意で整理しても、『いったん減免してもらったので、
      次に新規融資を求める時に貸してもらえるのか』と不安な被災者が多い」と指摘
      引用:朝日新聞(2012/10/22)
   
   
     減免後の弁済期間は原則5年にためらい
      住宅ローンが約2300万円残る宮古市の40代男性。
      運営委員会に相談したところ既存ローンを約1100万円に減額可能とのこと。
       しかし期限内に完済するには、支払いが今の倍以上の月約20万円に膨らむ試算に。
      参考:毎日新聞(2012/8/12)
   
    
     制度PRや減免に消極的な金融機関
      ある地方銀行の担当者は「我々の仕事とガイドラインとがそもそも矛盾している。
      債務を帳消しにするのに、積極的には紹介しづらい、というのが本音」
      引用:朝日新聞(2012/10/20)
   
      仙台弁護士会が7月、弁護士が相談に乗っている県内の被災者45人に
      聞いたところ、金融機関に借金返済について相談した38人のうち、制度の
      説明を受けた人は15人だけだった。
      引用:読売新聞(2012/8/25)
   
      別の仙台市の弁護士によると、宮城県の金融機関との協議中に
      「こちらも被災地にあるのだから、互助の精神を発揮してほしい」と
      減免額の減額を求められたという。断ると、「債務者の不利益になる
      可能性がある」との書面が送られてきたという。
      引用:朝日新聞(2012/10/22)
   
    
    
     被災者支援、引いては復興支援への思いの一方で、経営リスクを天秤にかけ、
     ぎりぎりの支援ラインを引こうとしている金融機関。そして復興促進のため
     金融機関に協力を呼びかける行政との思惑が交差しています。
   
   
    
    
    
   東日本大震災事業者再生支援機構
   
    震災以前から過大な債務を負っている被災事業者の債務を軽減し再生を図る
    ため、【国が設立した機構】。財源は2011年度の4次補正で5000億円の政府
    保証枠を設け、2012年2月22日に発足。
   
    金融機関と連携し債権を買い取った後、元本と利子の返済猶予(最大15年間)や
    債務免除により返済の負担を軽減し再建を後押し。支援決定は5年以内。
    ※ 2012年7月17日から通常6ヶ月は必要な案件対応時間を3ヶ月に短縮。
   
   
    
    支援機構の池田憲人社長のインタビュー
    
    「被災した事業者が二重ローンに陥ることを回避するため、事業者への債権を
     買い取って民間金融機関との仲介役を担うほか、つなぎ融資や専門家の派遣を
     通じて、事業の再建を後押しする。被災地のために新たなビジネスモデルを
     作るのが使命だ。」
     引用:読売新聞(2012/9/4)
   
    「相談を受けたら、公序良俗違反でない限り断りません。重視しているのは小規模な
     事業者で、最長15年かけ復興に導きます。200万円の借り入れに苦しむ岩手県の
     美容室や同県で漁船を被災した漁業者にも支援を決めました。」
     引用:読売新聞(2012/10/23)
   
    
    対象事業者
     東日本大震災で受けた被害により過大な債務を負っている事業者で、
     対象地域において事業の再生を図ろうとする事業者
   
      ・大企業、第三セクターは対象外
     ・小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者は重点的支援対象
     ・下記の産業復興機構が支援することが困難な事業者
   
   
    
    利用状況
     相談依頼件数:681件、支援決定:41件、支援へ最終調整中:101件
     ※ 2012年10月24日時点
     ※ 参考:東日本大震災事業者再生支援機構
   
   
    
    
   産業復興機構
   
    収益力に対して過大な債務を負っている被災事業者の二重債務問題へ
    対応するため産業復興機構を県ごとに設立。
    
    被災前の債権を機構が買い取って元利金の返済を一定期間棚上げし、
    地元の地方銀行や信用金庫が新たに復興資金を融資します。

   
    ※ 金融機関から被災企業の債権を買取り、支払いを凍結する県、中小機構、地域
      金融機関による共同出資のファンドです。
   
    相談窓口である県産業復興相談センターは県毎に設立。設置は岩手、宮城、福島、
    茨城、千葉。
   
    岩手県、2011年11月11日設立。宮城県、2011年12月27日設立。
    福島県、2011年12月28日設立。
   
   
    対象事業者
     産業復興機構が「債権の買取等を行うことにより」、「関係金融機関の
     新規融資が見込まれる」こととなり、「県産業復興相談センターにおいて
     再生可能性があると判断された」中小企業が対象。
   
   
    債権買取件数
     岩手産業復興機構:30件
     宮城産業復興機構:18件
     福島産業復興機構:3件
     ※ 2012年10月24日時点。
     ※ 参考:岩手県HP宮城県産業復興相談センター福島県HP
   
   
   
    
    
   両機構による債権買取が進まない背景
   
    東日本大震災事業者再生支援機構は「中小企業のローンの多くに信用保証が付いて
    いることも、債権買い取りを難しくしている」と指摘する。震災特例により、
    信用保証が付いている場合はその企業が返済不能となっても、債権者である
    金融機関は全額回収できる仕組みだ。機構による債権買い取りの場合、額面を
    下回る恐れがあり、嫌がる金融機関もあるという。
    引用:読売新聞(2012/7/23)
   
    約1700万円のローンを抱える釜石市の書店が被災した男性(58)
    「どこで再開できるかも決まらない段階で、新しいローンのことなんて考えられない」
    引用:読売新聞(2012/7/23)
   
      
    防災集団移転、土地区画整理、土地のかさ上げ等、復興事業は時間がかかり、
    地域の先行きが不透明な中、被災事業者が再建のために新たなローンを組むことに
    二の足を踏むのも、債権買取が進まない1つの要因となっています。
   
 
   参考:()
 
 
  最低賃金:引き上げ議論大詰め 労働者から切実な声(概要へ)
   対象:被災地の従業員  内容:被災地含む日本の労働環境  (ID:3)
 
  被災3県、失業手当給付期間終了後の就業状況(概要へ)
   対象:震災による被災3県の失業者  内容:失業手当終了後の就業状況  (ID:24)
 
  中高年女性、再就職進まず 被災3県(概要へ)
   対象:被災地の中高年女性  内容:被災地の求人倍率の実態  (ID:41)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  最低賃金:引き上げ議論大詰め 労働者から切実な声(見出しへ)
 
   最低賃金、11都道府県で生活保護費下回る現状。岩手県も全国最低の645円。
   中小零細企業が多い三陸沿岸では操業を再開した企業でも、従業員の待遇改善
   には程遠い。ダブルワークが体を蝕む。
 
   参考:毎日新聞(2012/7/23)
 
 
  被災3県、失業手当給付期間終了後の就業状況(見出しへ)
 
   被災3県、1月から6月末までに延長給付が終了した人、1万5243人。
   4914人(32.2%):求職活動中、又は職業訓練中。
   5355人(35.1%):就職
   2889人(18.9%):求職活動せず(震災前の職場再開待ち等)
   ※ 失業手当の給付期間は2011年10月に特例的に90日延長。
   
 
   参考:河北新報(2012/9/1)
 
 
  中高年女性、再就職進まず 被災3県(見出しへ)
 
   被災地の主な公共職業安定所別の45歳以上の女性有効求人者数。
   求人増加が土木・建設関連に偏り、中高年女性の再就職が進んで
   ないことが浮き彫りになっています。
   
   公共職業安定所:2011年2月、2012年7月(人)
   
   釜石管内:351、470(34%増)
   ※ 釜石市、大槌町
   
   宮古管内:305、488(60%増)
   ※ 宮古市、山田町、岩泉町、田野畑村
   
   大船渡管内:366、731(2.0倍)
   ※ 陸前高田市、大船渡市
   
   石巻管内:703、1659(2.4倍)
   ※ 女川町、石巻市、東松島市
   
   塩竈管内:663、1000(51%増)
   ※ 塩竃市、多賀城市、七ヶ浜町、松島町、利府町
   
   気仙沼管内:326、1098(3.4倍)
   ※ 気仙沼市、南三陸町
   
   平管内:1205、1972(64%)
   ※ いわき市
   
   相双管内:688、783(14%)
   ※ 南相馬市、相馬市、新地町
   
   ※は沿岸部の主な管轄
   
 
   参考:河北新報(2012/9/26)
 
 
  被災地の商品を販売する東京のアンテナショップ、売上半減(概要へ)
   対象:被災地の生産者  内容:震災風化の兆候  (ID:11)
 
  主要漁港の2012年度の水揚げ目標(概要へ)
   対象:被災3県の漁業者  内容:主要漁港の水揚げ量の回復状況と水産加工施設の再開状況  (ID:14)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  被災地の商品を販売する東京のアンテナショップ、売上半減(見出しへ)
 
   東京にある被災3県のアンテナショップ、2012年4~7月の売上が前年同期比から半減。
   岩手「いわて銀河プラザ」、53%
   宮城「宮城ふるさとプラザ」、47%
   福島「福島県八重洲観光交流館」、59%
   震災前の水準に戻り、メディアの露出減少に伴い、被災地への関心が薄れつつある傾向。
   
 
   関連HPいわて銀座プラザ宮城ふるさとプラザ福島県八重洲観光交流館
   関連地図いわて銀座プラザ宮城ふるさとプラザ福島県八重洲観光交流館
   参考:日本経済新聞(2012/8/15)
      河北新報(2012/9/5)
 
 
  主要漁港の2012年度の水揚げ目標(見出しへ)
 
   主要漁港の2012年度の水揚げ目標。()内は2010年度比。
   岩手県:久慈市:1万3千トン(1%増)、宮古市:4万2千(4%減)、釜石市:1万1千(31%減)、大船渡市:5万(9%減)
   宮城県:気仙沼市:7万(29%減)、女川町:4万2千(26%減)、石巻市:6万(51%減)、塩竈市:2万3千(35%増)
   福島県:いわき市(小名浜):6千(45%減)
   被災3県で被害があった水産加工施設約760のうち、業務を再開したのは55%。
 
   参考:日本経済新聞(2012/8/21)
 
 
  震災500日、復興住宅着工1%、仮設27万人(概要へ)
   対象:被災者全員  内容:災害公営住宅、防災集団移転、仮設住宅居住者数の状況  (ID:12)
 
  災害公営住宅(復興住宅)の詳細と進捗状況(概要へ)
   対象:被災者全員  内容:災害公営住宅の進捗状況  (ID:32)
 
  防災集団移転促進事業の詳細、進捗状況(概要へ)
   対象:  内容:  (ID:33)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  震災500日、復興住宅着工1%、仮設27万人(見出しへ)
 
   災害公営住宅:岩手5340戸、宮城約1万5千戸、福島約1300戸を建設予定。
   防災集団移転:被災3県、約2万3300戸予定。
   震災500日、災害公営住宅着工は約1%、全て完成は2015年度末予定。
   防災集団移転、国の同意得たのは約24%、仮設住宅への避難者は約27万人。
 
   参考:朝日新聞(2012/7/24)
 
 
  災害公営住宅(復興住宅)の詳細と進捗状況(見出しへ)
 
   最終更新日:2012/11/24
   ※ 岩手県と宮城県の進捗状況を更新。
   
    
    
   ・災害公営住宅とは
   
     住宅タイプ
   
     入居資格、期限
   
     家賃の目安
   
     災害公営住宅の払い下げ
   
     政令月収とは(収入月額の算出方法)
   
   ・建設遅れの要因
   
   ・建設促進への取組み
   
   ・進捗状況
   
   ・孤独死防止の鍵:地域コミュニティーの維持
   
   
    
    
    
    
    
   災害公営住宅とは
   
    災害で住宅を失った被災者向けに国の補助を受けて県や市町村が整備する住宅です。
    家賃は住居タイプや地価、収入にも応じて決定します。経済負担が少なく仮設住宅
    退去後、住宅の自力再建が困難な被災者向けに建設が進んでいます。
   
    
    
   
    災害公営住宅の完成は、住宅を自力再建する余力がない被災者が、仮設住宅での
    不便な避難生活を終える節目です。
一刻も早い完成が望まれていますが、
    資材不足、人手不足、用地不足(宅地造成の必要有)、用地取得等の理由で難航。
    全ての完成予定は2015年度となっています。
   
    ※ 福島復興再生特別措置法で原発事故に伴う避難者も入居対象に認められる
      ようになりました。
   
    土地や建築にかかる費用の8分の7は国が負担し残りは自治体が家賃収入で賄います。
   
   
    
    
    住宅タイプ
   
     住宅タイプは共同住宅、長屋、戸建がありますが、自治体が住民希望を反映して
     整備。高齢者向けのバリアフリー、共同住宅への災害時の停電対策用に太陽光
     パネル設置等による蓄電システムも自治体の方針に委ねられています。
   
    
     主に市街地には共同住宅が建設されますが、コミュニティーが強い漁村集落や
     離島向けに戸建てを容認する自治体もあります。一方で一部の住民のために
     戸建を建設するのは不公平感を生むと、共同住宅建設の姿勢を崩さない自治体も
     あります。
   
    
    
    入居資格、期限
   
     通常公営住宅の入居条件として政令月収額が15万8千円以下であることが
     要件です。しかし、災害公営住宅では災害発生から一定期間、収入に関する
     条件はありません。
   
     通常、入居者の収入条件の撤廃は災害発生から3年間ですが、東日本大震災では
     特例措置で10年間に延長されています。
   
     
     高所得者は一定期間後、退去義務
   
      政令月収が15万8千円を超える世帯の方は、入居後3年経過すると、
      家賃が上がり明け渡しの努力義務が生じます。
   
      政令月収が31万3千円を超える世帯の方は、入居後5年経過すると、
      退去していただくことになります。
   
    
    
    家賃の目安
   
     家賃は住宅タイプ、入居者の収入、地価に応じて決まり、災害公営住宅は通常の
     公営住宅よりも安くなっています。東日本大震災では政令月収が8万円未満の
     低所得者向けに、さらに家賃が減額される東日本大震災特別家賃低減事業が実施
     されてています。
   
    
     ※ 東日本大震災特別家賃低減事業
   
     ・低所得の被災者が、円滑に恒久住宅に移行し、速やかに生活再建ができるよう、
      災害公営住宅の家賃を、10年間、入居者が無理なく負担しうる水準まで低減
      するものです。
     ・対象となる世帯は、政令月収が8万円以下の世帯となります。
     ・期間は10年間ですが、6年目以降は段階的に家賃が引き上げとなり、11年目
      以降は本来の家賃となります。
   
    
    
     家賃の実例 
   
     以下に実際の家賃の例として災害公営住宅の家賃が記された自治体HPへの
     リンクを貼っておきました。
   
     気仙沼市の災害公営住宅の家賃
     仙台市の災害公営住宅の家賃
     石巻市の災害公営住宅の家賃
   
     大船渡市の災害公営住宅の家賃
     釜石市の災害公営住宅の家賃
   
    
     政令月収が10万円未満では家賃はほぼ2万円以下、月収が0になる場合はほぼ
     1万円未満。所得に応じて約6000円~7万円程となっています。
   
    
    
    災害公営住宅の払い下げ
   
    災害公営住宅の建設後、一定期間(木造の場合は5年以上)経過後に、他に
    入居希望者がいない場合は、市町村(道県営の場合は道県)の判断で、時価で
    お住まいの災害公営住宅の払い下げを受けることができます。
    引用:国土交通省
   
   
    
    
    政令月収とは(収入月額の算出方法)
   
     災害公営住宅の家賃を計算する際に必要となる、政令月収の算出方法についてです。
   
    
     世帯全員の年間所得の合計 - 控除額の合計)÷12か月 = 収入月額(政令月収)
   
    
     控除の詳細は以下の通りです。 
   
     ・親族控除:一人につき38万円
      申込者以外で同居する親族及び所得税法上に基づいた遠隔地扶養親族
     
     ・特定扶養親族控除:一人につき25万円
      配偶者除く16歳以上23歳未満の方で所得税法上扶養親族になっている方
    
     ・障害者控除:一人につき27万円
      3~6級の身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳2・3級、療育手帳
      B級をお持ちの方
    
     ・特別障害者控除:一人につき40万円
      1.2級の身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳1級、療育手帳A 級を
      お持ちの方
    
     ・寡婦(夫)控除:27万円以内で本人の所得の範囲内
      所得税法上寡婦または寡夫控除の適用を受けている方
    
     ・老人扶養控除、老人配偶者控除:一人につき10万円
      70歳以上で、所得税法上老人扶養親族または老人控除対象配偶者の方
      
   
     引用:石巻市の災害公営住宅、家賃の目安
   
   
   
    
    
   建設遅れの要因
   
    阪神大震災では発生から2ヶ月後に着工された災害公営住宅。東日本大震災では
    震災から1年半経っても、着工率がほぼ必要戸数の1%程度という状況。
   
    仮設住宅退去後、終の住処と考える人も多い災害公営住宅の建設が遅れている
    背景の紹介です。
   
   
    
    用地不足
     (災害公営住宅の)建設の遅れの要因について、多くの自治体は「適地がない」と口を
     そろえる。沿岸の高台や内陸の平地は既に仮設住宅が立ち並ぶ。「新たに高台を造成
     せざるを得ず、どうしても時間がかかる」
     引用:河北新報(2012/9/9)
   
    
     「最大の壁は今ある仮設住宅だ」と(石巻市)笹野健副市長は説明する。災害公営
     住宅の建設候補地となる市内の空き地には仮設住宅がずらりと並ぶ。その数は
     7千戸。急場をしのぐ仮設住宅が、将来の住まい探しを阻むジレンマが起きている。
     引用:日本経済新聞(2012/9/12)
   
    
    定まらない土地利用計画
     事業の遅れは、自治体の土地利用計画が定まらないことも関係している。岩手県の
     担当者は「例えば建設用地について『駅から近い場所に』という要望があるが、
     どこに駅ができるか分からない状況では応じようがない」と頭を抱える。
     引用:日本経済新聞(2012/6/15)
   
    
    人手不足、資材不足
     人手不足や事務手続きの煩雑さも自治体を悩ませる。復興交付金の申請手続きや
     用地の調査・測量に追われる石巻市は「技術職員が足りない」、相馬市は
    「土地の抵当権や相続関係の整理に人と時間が必要」と説明する。
     引用:河北新報(2012/9/9)
   
    
     用地の確保には複数の地権者との交渉が要るが、市町村では土木に携わる職員が
     乏しく、地元の調整が進まない。生コンクリートなどの資材不足も依然として
     深刻だ。
     引用:日本経済新聞
    
     ※ 建設業者の人手、資材不足による入札不調はこちらの記事へ
   
    
    用地取得の難航
     岩手県は「一定の広さの土地は複数の地権者との交渉に時間がかかる。復興事業が
     多岐にわたり、業者や資材の不足も心配」と話す。
     引用:朝日新聞(2012/7/24)
   
     ※ 土地取得が関係する復興事業の遅延はこちらの記事へ
   
   
    
    
    
   建設促進への取組み
   
    
    人手不足、用地不足への対応
     復興業務が山積している被災自治体ではマンパワーが慢性的に不足。そのため
     阪神大震災で災害公営住宅建設の実績があり、都市計画や街づくりの専門家集団
     である独立行政法人、都市再生機構(UR)や民間企業も活用されています。
   
    
     都市再生機構との協定例
      石巻市、気仙沼市、大槌町、多賀城市、塩竈市、南三陸町、女川町、東松島市、
      陸前高田市、山田町、釜石市、大船渡市、宮古市、大槌町、新地町等、大半の
      被災自治体が復興で協力する協定を締結しています。
      ※ 詳細はこちら(UR都市機構HP)
   
    
      都市再生機構は災害公営住宅だけではなく、防災集団移転事業、土地区画整理
      事業でも自治体と協定を結び、土地取得、造成、住宅建設、職員派遣等で復興に
      尽力しています。
   
    
     民間企業のノウハウ、スピードを活用
      工事期間の短縮を狙い、釜石、石巻、東松島、大崎、仙台の各市と
      宮城県亘理町は民間企業が新築した集合住宅や一戸建て住宅を買い上げたり、
      借り上げたりする。東松島市は全体の3分の1を買い上げて復興住宅にする。
      引用:河北新報(2012/9/9)
   
    
      石巻市は災害公営住宅の整備で導入する「民設買い上げ方式」の制度概要を
      発表した。県が示した実施要綱に沿い、民間企業が建設した住宅と土地を
      一括で買い取る。
      引用:河北新報(2012/9/29)
   
    
     浸水区域に建設
      釜石市では中心市街地の東部地区に鉄筋コンクリートの高層住宅の建設計画
      を進めています。新たな防潮堤の整備後も浸水が想定されてますが、浸水区域
      外の適地には仮設住宅があることに加え、住民の希望と利便性を踏まえた結果
      です。浸水しても人的被害を抑えるよう、1階は物置や商店とし、住居は2階
      以上としています。
      参考:読売新聞(2012/7/25)
   
      
      大槌町が2月22日の町議会議員全員協議会で発表した、町第一弾の災害公営
      住宅の建設予定地の2ヶ所はいずれも浸水区域。町営住宅跡地ですが、
      防潮堤などが整備されると東日本大震災クラスの津波で浸水しないことを想定。
      参考:岩手日報(2012/2/23)
   
    
     女川町:競技場壊し用地捻出
      女川町では建設予定の復興住宅715戸のうち約200戸は、被害を免れた
      高台の町民陸上競技場を解体して整備。
      参考:毎日新聞(2012/6/10)
   
    
     気仙沼市:被災小学校跡地
      気仙沼市では被災し閉校した南気仙沼小学校を解体し、その跡地に鉄筋
      コンクリート5~10階の共同住宅を160戸分整備。周囲は今後整備予定の
      堤防を見越して、災害危険区域外となっています。
      参考:河北新報(2012/8/4) 
   
    
    
   進捗状況
   
    
    岩手県
     2015年度(2016年3月)までに、5601戸の整備計画
     県が建設:3231戸。主に集合住宅、一部バリアフリーの部屋も有。2014年度中に完成予定
     市町村が建設:2370戸。地域特性を考慮し1戸建ても有。2015年度中に完成予定
     2012年11月9日発表時点の事業着手率:34.5%(復興庁HPより)
   
     
     岩手県で最も入居時期が早いのは大船渡市盛町の災害公営住宅。雇用促進住宅の
     空き部屋を改修して、災害公営住宅として活用する44戸です。12月3日完成予定、
     入居は12月10日以降を予定しています。
     参考:毎日新聞(2012/10/24)
   
     岩手県、市町村別の災害公営住宅一覧へ
   
   
    
    
    宮城県
     2015年度までに、21市町計約1万5000戸の整備計画
     2012年10月31日時点の事業着手数:2777戸(復興庁HPより)
     
    
     宮城県で最も入居時期が早いのは山元町の災害公営住宅、新山下駅周辺地区の
     50戸です。木造で工期が短く2013年3月に完成予定。早ければ2013年4月にも
     入居可能な見通しです。
     参考:河北新報(2012/10/23)
   
     宮城県、市町村別の災害公営住宅一覧へ
     宮城県、災害公営住宅のガイドライン
   
    
    
    福島県
   
     津波被災の自治体
      津波被災者向け災害公営住宅は相馬市、南相馬市、いわき市、新地町で計画、
      建設中です。国の災害公営住宅事業の被災地第1号は相馬市の相馬井戸端長屋。
      2012年8月8日に完成しました。
   
   
     
     原発事故で役場機能を移転した自治体
      楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘村の7町村は原発事故による行政
      機能の他自治体への移転で事業推進、維持・管理が困難なため、県が建設・管理
      運営を代行する方針。5年で5000戸、年間1000戸の建設を想定しています。
      参考:福島民報(2012/10/28)
   
    
      仮の町構想を打ち出している自治体(富岡、大熊、双葉、浪江の4町)は、
      受入れ先の候補である福島市、二本松市、いわき市、会津若松市、郡山市、
      南相馬市と移転の期間や規模などを個別に話し合う部会を設け、2014年度
      からの災害公営住宅への移転を目指す方針を確認。
      参考:河北新報(2012/9/23)
   
    
    
   孤独死防止と地域復興の要:コミュニティーの維持
   
    災害公営住宅の建設場所と入居優先枠に関しては高齢者、障害者だけでなく
    地域コミュニティも配慮することが求められています。
   
    阪神大震災では災害公営住宅の入居に関してコミュニティーよりも高齢者や
    障害者を優先。その結果、高齢者の孤独死が相次ぎ、今も続き大きな問題と
    なっています。
   
    以下は阪神大震災の災害公営住宅における孤独死に関する記事の引用です。
   
    
    阪神大震災の被災者らが暮らす兵庫県内の復興住宅で、独り暮らしの入居者が誰にも
    みとられずに亡くなる「孤独死」が2011年の1年間で36人に上ったことが14日、
    分かった。前年より15人減り、平均年齢は73.1歳。仮設住宅が解消された00年以降で
    最少だが、12年間の累計は717人となった。
    引用:日本経済新聞(2012/1/14)
   
    
    阪神大震災の被災者の災害公営住宅入居後の孤立に関する問題は、過去形ではなく
    現在進行形ということが伺えます。東日本大震災では同じ轍を踏まないよう、大勢
    の方が警鐘を鳴らしています。
   
   
    
    日本災害復興学会長、関西学院大室崎益輝教授(都市災害)
     「復興においてコミュニティーの維持は最も大切。土地がないなら、民有地を
     借り上げて土地の賃料を災害公営住宅の家賃収入で相殺したり、住宅の床面積を
     縮小するなど柔軟に対応すべきだ」と指摘する。
     引用:毎日新聞(2012/4/6)
   
    
    神戸大の平山洋介教授(住宅政策)
     「阪神大震災では地域性を全く考えず、被災者の中から高齢者や障害者をまず抽出し、
     その人たちで希望する住宅を抽選する形だった。その結果、両隣の住民が誰なのかを
     互いに知らない状況となり、孤独死などの問題が起きた」
   
     「仮設住宅ではボランティアやNPO関係者が巡回し、入居者と頻繁に顔を合わせる
     ことができるが、各部屋が鉄の扉で閉ざされた復興住宅では、お年寄りら災害弱者を
     見守り、サポートする仕組み作りが大切だ」
     引用:読売新聞(2012/7/24)
   
    
    被災自治体:コミュニティ維持に向けて
     
     釜石市
      市総合政策課の課長「仮設住宅入居の際の反省を踏まえ、コミュニティー再生を
      第一に、分かりやすい方法で、できるだけ希望に沿う形にしたい」と説明。
      引用:河北新報(2012/9/9)
   
    
   
 
   参考:()
 
 
  防災集団移転促進事業の詳細、進捗状況(見出しへ)
 
   最終更新日:2012年12月1日。
   ※ 防災集団移転の進捗を更新。
     自宅を修繕後に災害危険区域に指定される事例を追加。
   
   
   土地区画整理事業と共に被災地復興の柱である防災集団移転促進事業。
   復興庁によると岩手県、宮城県、福島県の被災3県で集団移転の戸数は
   3万戸を超える見込みとなっています。

   
   防災集団移転の事業内容、移転を巡る問題、進捗状況を説明していきます。
   
   
   
    
    
    
    防災集団移転促進事業の概要
      
      事業実施の流れ
   
    重い経済的負担
   
    移転先の住宅団地へ移転可能な世帯
   
    地域づくりとしての事業の側面
   
    国庫補助の対象となる経費一覧
   
    集団移転、2通りの実施方法
   
    
    
    防災集団移転促進事業を巡る問題
   
      災害危険区域に関する問題
   
        災害危険区域の線引き
   
        危険区域内で住宅修繕し居住
   
      災害危険区域外への自治体独自支援には格差
   
      移転先での自力再建費用の問題
   
        地価の増減:移転元、移転先で開く土地価格
   
        重くのしかかる二重ローン
   
      移転元、移転先の土地問題
   
      地域コミュニティの問題
   
      建設業者の人材、資材不足・価格高騰の問題
   
    進捗状況
   
   
    
    
    
   防災集団移転促進事業の概要
   
    地震や津波被害が甚大だった地域は今後居住するために適した地域とは言えません。
      
    そこで、居住に適当でないと自治体が判断した地域から安全な別の地域へ移住する際、
    被災宅地の買取、移転先の住宅団地整備、水道、ガス、電気、道路等のインフラ整備、
    必要な公共施設の建設、住宅再建時の土地や住宅にかかる借入金の利子補給、移転
    費用等を経済的に支援し、防災のための集団移転を促進させる国の事業です。
   
    
    事業実施の流れ
     被災自治体は復興計画に基づく土地のかさ上げ、防潮堤の整備等、津波への防御策を
     前提にした東日本大震災クラスの津波シミュレーションを行っています。各地域の
     浸水状況の予想を基に居住には適さない移転対象地域(浸水が2mを超える等)を設定
     します。
    
     移転対象となる地域の選定後は国によって事業実施の要件とされている建築制限を
     設ける災害危険区域の設定、実際に移転を行う区域となる移転促進区域の設定が
     自治体の判断で行われます。
   
    
     災害危険区域
      建築基準法に基づき、自治体が条例を定め、住宅の建築に適さない危険な
      場所に対して首長が指定。指定されると、住宅の新増改築が不可となります。
      修繕は可能で、事務所、作業所、倉庫など居住目的でない建物も建築可能です。
      
      ※ 被災地で更地が広がっているのは、災害(地震、津波)の危険区域での
        建築を制限し、復興に向けた再開発のため乱開発を防ぐ目的で災害危険
        区域に指定しているからです。
   
    
     移転促進区域
      災害が発生した地域又は災害危険区域のうち、住民の生命、身体及び財産を
      災害から保護するため住居の集団的移転を促進 することが適当であると
      認められる区域です。防災集団移転促進事業では区域内の移転跡地の買取は
      国庫補助の対象となります。
   
      移転促進区域内では原則全戸の住民合意が前提ですが、諸事情で反対する一部
      の方による事業全体の遅れを懸念し、賛成の方から順次移転しても構わない
      措置が取られています。
   
    
   
   
     移転先の用地と住まい
      移転先は一定の要件を満たす土地を自治体が候補地として用意するか、住民の方が
      探した土地を自治体に提案して検討することになります。要件は移転先の住宅団地に
      移転世帯の半数以上の住宅(最低5戸以上)が建設できるほどの、移転規模と用地で
      あることです。
   
    
      移転先が決まり、用地取得が完了すれば、移転先の宅地造成と住宅建設に移るという
      流れです。移転先の土地は自治体から賃借または買取ることになり、その土地で
      被災者の方が自力再建することになります。
   
    
      住宅再建の主な資金は移転跡地の売却価格を見込んでいる方が多いため、被災した
      土地の価格が移転か災害公営住宅への入居かの判断材料となっています。
   
    
      自治体が移転先の住宅団地に災害公営住宅を建設するなら、自力再建を断念しても
      移転先で震災前のコミュニティの中で生活できます。
   
    
     重い経済的負担
      移転先での自力再建となるため、高齢者が多い被災地では長期ローン(最長35年)が
      無理な場合は、どうしても毎月の経済的負担が重くなってきます。(おおよそ移転先
      の土地、住宅の両方購入で1千万~数千万円)
   
    
      住宅を建設又は購入する際は「被災者生活再建支援金」として国から200万円
      交付があります。その他の住宅再建の支援は、県や自治体によって異なります。
   
    
     移転先の住宅団地へ移転可能な世帯
      自治体が整備する移転先の住宅団地で土地を確保できるのは、震災時に移転促進区域内
      に居住していた世帯です。借家でも構いません。しかし、移転促進区域内に土地を所有
      していても、居住してなければダメです。
   
     
     地域づくりとしての事業の側面
      防災集団移転促進事業は単なる土地、住居の移転だけでなく、移転先で生活が成り
      立つために必要なインフラ、公共施設(集会所、共同作業所、公園等)の整備も国庫
      補助の対象となるので、新たな地域づくりの事業とも言えます。
   
    
      地域づくり支援事業の側面もあるため、移転先をどのように開発するのか、話し合い
      の場が必要となります。そのため、xx協議会、xx委員会が、都市計画や建築の
      専門家を招き、自治体または住民有志の方によって設立されたことがニュースにも
      なっています。
   
    
      移転先の周辺地域の状況、住宅団地の規模を踏まえた上で、どのように移転先の
      地域づくりを進めていくのかが、今後の重要課題と言えます。
   
   
    
    
     国庫補助の対象となる経費一覧
      移転事業に必要な経費は復興交付金及び震災復興特別交付税として事業の施行者である
      地方自治体に交付します。経費の補助対象は以下の通りです。
   
    
     
     1)住宅団地の用地取得造成
      
      2)移転者の住宅建設・土地購入に対する補助(借入金の利子相当額)
      ※ 限度額:住宅444万円、住宅用地206万円、用地造成58万円。計708万円
      
      3)住宅団地の公共施設(道路、公園、集会所、共同作業所等)の整備
      
     4)移転促進区域内の農地及び、宅地の買い取り
      
      5)移転者の住居の移転に対する補助(引越し費用、 上限78万円)
       ※ 農業・漁業等従事者が離職する場合は約237万円
     

   
    
    
     東日本大震災での主な特例措置
     ・通常、補助対象の移転先住宅団地の規模は原則10戸以上であるところ原則
      5戸以上に緩和。
      
     ・国の補助は通常3/4ですが、残りの負担は復興交付金の追加、震災復興特別
      交付税の交付で賄い、実質地方自治体の負担はゼロ。
      
     ・移転先団宅団地での住宅建設の利子補給の限度額を408万円から708万円に
      引き上げられました。
   
   
    
    
    集団移転、2通りの実施方法
      
     防災集団移転にあたって必要な移転促進区域と災害危険区域の設定。
     地域事情の配慮が必要なので順番は自治体に委ねられてます。
    
    
     移転促進区域先行型(小規模な漁村集落等)
      
      自治体が移転対象とする集落の被災者合意を図り、危険な集落全体を
      移転促進区域に設定。
       ↓
      防災集団移転促進事業により
      ・住宅団地の整備
      ・移転促進区域内の宅地等の買取
      ・移転者の住宅建設等の支援等を実施
       ↓
      移転促進区域を災害危険区域に指定し、復興
      計画を踏まえ条例により建築制限。
      
      建築制限の例
      漁業関係施設及び水産加工施設に限り建築可能
       ↓
      移転跡地は、条例による建築制限の範囲内で
      復興計画に基づく土地利用を実現。
   
      ※ 同意を得られたとろから順次移転促進区域を設定し段階的に事業を
      進めることも可能です。 
   
    
    
     災害危険区域設定先行型(大規模な既成市街地等)
      
      自治体が移転対象とする被災市街地を災害危険区域に指定し、復興計画を
      踏まえた条例により建築制限をかけます。
   
    
      建築制限の例
       津波に対する一定の構造耐力等を有する建築物に限り建築可能
        ↓
       災害危険区域のうち移転希望世帯の住宅地を含む土地の区域を移転促進
       区域に設定。住居の建築が不可能な以上、全域が移転対象となりますが、
       区域毎に集団移転するので
        ↓
       防災集団移転促進事業により、
       ・住宅団地の整備
       ・移転促進区域内の宅地等の買取
       ・移転者の住宅建設等の支援等を実施
        ↓
       移転跡地は、条例による建築制限の範囲内で復興計画に基づく
       土地利用を実現。
      
      
      大規模都市では地域一体の全住民の合意形成を得るのはほぼ不可能に
      近いため、この方法を使います。しかし災害危険区域先行型は現地再建を
      不可能にするため、土地所有者の権利を著しく制限します。
      
      実際に行った仙台市では荒浜地区の住民組織が災害危険区域取り消しを巡って
      市に対し行政訴訟を検討していた時期もありました。※ 苦渋の決断の末中止に。
   
   
    
    
   防災集団移転促進事業を巡る問題
   
    
    災害危険区域に関する問題
   
      災害危険区域の設定は被災者が現在所有する土地での新築・増築による現地再建の
      道を閉ざす他(住宅の修繕は可能)、経済的に手厚い支援を受けられる防災集団
      移転促進事業やがけ地近接等危険住宅移転事業(個別移転)の対象要件にもなって
      います。
   
      ※ 移転事業による個人への経済支援は土地取得、住宅建設の借入金利子補給、
        移転費用等、最大700万円以上。
      
      それゆえ区域の設定は今後の生活再建に大きく影響することから、線引きを巡って
      様々な問題が生じています。
   
    
    
     災害危険区域の線引き
   
       災害危険区域の判断基準となっている津波シミュレーションによる浸水予測。
       このシミュレーションは復興計画に盛り込まれている防潮堤や土地のかさ上げに
       よる防御策を前提にしています。そのため、東日本大震災で全壊となったにも
       かかわらず区域外になるという地域もあります。
   
       津波で全壊したのに災害危険区域に指定されず、支援の手厚い防災集団移転の
       対象外となる事態が生じています。
   
    
    
     危険区域内で住宅修繕し居住
   
       災害危険区域に設定された地域には、東日本大震災で浸水はしたけれど
       地域で全壊となった住宅は少数という場所もあります。
   
    
       防災集団移転事業は、行政による被災宅地の買取や、土地購入や住宅再建に
       かかる借り入れ費用の利子補給があります。しかし土地と住宅を両方購入
       すると数千万円はかかるため、被災者の方への経済的負担は相当大きくなり
       ます。
   
    
       そのため、災害危険区域内でも比較的被害が軽微な地域の方は、経済的負担が
       軽い自宅の修繕を行い、居住し続ける方もおられます。また、防災集団移転の
       話は震災直後からあったわけではないので、支援金や保険金を使い早期に住宅を
       修繕、その後災害危険区域に指定。もはや移転の資金はなく困惑する方も多数
       いる状況です。
   
       災害危険危険区域にしてされると、住宅を修繕して住むことはできても、
       福祉施設等、他の施設にも建築制限がかかります。今後、住民サービスは
       どうなっていくのか、地域の不安は尽きません。
   
   
    
       関連記事の紹介
        (災害)区域内で居住を続ける事例もみられる。少なくとも仙台市など7市町
        では約750棟が津波で流失せずに残り、約250棟で被災者が生活を再開
        した。数千万円に上る移転・再建費用の負担や、職業上、漁港や農地から
        離れたくないなどの理由からだ。
   
         災害危険区域に指定されると、防災集団移転促進事業などで住宅移転に国の
        補助が得られる。一方、防災集団移転は土地収用法の適用外で、強制的に
        立ち退きさせることはできない。
        引用:朝日新聞(2012/9/21)
   
    
        石巻市北上町十三浜吉浜地区
        震災当初、移転対象の説明はなく13世帯が自宅を改修して居住。
        「改修に1000万円以上かかった。支援金や保険金なども使っており、
        今更ほかに移り住んでくれと言われても、どうにもならない」と戸惑いの声。
        参考:河北新報河北新報(2012/12/1)
   
    
    
     災害危険区域外への自治体独自支援には格差
   
       国は災害危険区域外の被災者への土地かさあげや住宅再建の支援を「個人資産の
       形成につながる」と公費の投入は行わない方針です。
    
       ※ 一方で、個人資産の形成につながらず、復興基本方針に沿っていれば、
         復興予算を被災地外の復興に関連の薄い事業へ流用する姿勢は疑問に
         思わざるをえません。
   
    
       そのため、災害危険区域外と内では支援の差があまりに大きいので、各自治体
       には支援の格差を是正するため、津波浸水区域に対しては独自支援の動きが
       広まっています。
   
    
       しかし自治体による独自支援は自治体の財政規模と被災規模によって大きな
       違いがあることが問題になっています。自治体の支援で際立っているのが
       仙台市や大槌町です。
   
    
       仙台市
        仙台市では災害危険区域外でも、津波浸水が予想される区域では個別移転に
        対して、一定の要件を満たせば防災集団移転事業と同じ移転費用と住宅再建に
        かかる費用の借入金利子補給があります。
        詳細:仙台市の移転対象外かつ浸水地域への支援
   
    
       大槌町
       ・被災者が住宅を再建する場合、建物一棟につき150万円を一律補助。
       ・土地区画整理事業又は漁業集落防災機能強化事業区域内に住宅を新築する場合
        6年目から25年目(最大20年間)までの利子補給。
        ※ 住宅金融支援機構の融資で5年目までは金利0%のため6年目以後。
       ・仮設住宅からの引越し費用最大10万円。
       ・水道配水管未整備の区域へ引越しの際、上限200万円で水道工事の補助。
   
       大槌町は他の自治体にはない独自支援と満を持して打ち出し、人口流出に歯止め
       をかける狙いもあるようです。
       詳細:大槌町独自支援
   
       
       他の自治体からは不満
        しかし一部の自治体だけ手厚い支援が受けられるのは当然ながら、県内の他の
        自治体や被災者から不満がでます。さらに、民主党の安住淳幹事長代行が11月4日、
        石巻の講演で「隣の貧乏な街はどうでもいいのか」「県市長会長として失格だ」
        などと仙台市長を「口撃」。
   
        一部自治体の手厚い支援は他の自治体から県による調整不足だという不満が
        生まれる事態となっています。
        参考:河北新報(2012/11/7)
   
   
   
   
    移転先での自力再建費用の問題
   
    
     地価の増減:移転元、移転先で開く土地価格
   
      主に自治体による移転跡地の買取価格が、移転先の住宅団地での住宅再建の
      原資になるのですが、震災後、沿岸部の地価は下がり、高台や内陸の地価は
      上昇し続けています。
   
      移転負担の増加は移転先での自力再建の断念と災害公営住宅への入居を促進
      させ、震災前の地域コミュニティの維持を難しくします。
   
    
      集団移転の説明会で使用された移転先と移転元の土地価格の資料。
     (単位百円)
               想定分譲価格    移転元の参考価格
      仙台市・荒井 :680~1150     105~241
      仙台市・田子西: 665~742     284~333
      石巻市中心部 :     520     216~256
      石巻市北上  :   55~60          37
      女川町中心部 : 145~230      40~311
      女川町離半島部:   32~59       21~41
      名取市下増田 :     420     144~148
      岩沼市玉浦  :     270      75~152
      引用:河北新報(2012/10/17)
   
      
      地価の差は地域差が顕著にでるので、国の一律支援では賄いきれず、自治体に
      よる独自支援に頼る現状です。被災規模が大きい今回の震災では、独自支援は
      自治体の財政負担が大きいため、国に追加支援を求めるも、国は個人資産の
      形成につながるとの姿勢を崩さない状況です。
   
    
    
     重くのしかかる二重ローン  
      防災集団移転は支援があるとはいえ、移転先での土地や建物の自力再建である
      ため、住宅ローン等、震災前からの借金がある方は、いわゆる二重ローンが
      発生することになります。
   
      自宅の修繕が可能な場合を除いて資金面の理由で自力再建を断念する場合は
      賃貸の災害公営住宅への入居が一般的になります。防災集団移転に参加するか、
      災害公営住宅に入居するか。
   
      二重ローン救済制度も震災後に創設されましたが、金融機関が消極的で
      あることに加え、弁済期間が5年になるなど、被災者にとっても必ずしも
      良い条件ばかりではないため、利用は低調な状況が続いています。
   
      二重ローン問題はこちらの記事にまとめています。
   
      以上のことから二重ローン問題は防災集団移転への参加を躊躇させる1つの
      要因となっています。
   
    
    
    移転元、移転先の土地問題
     
     防災集団移転事業が遅れる要因には土地問題に関することが相当あります。
     ・抵当権がかけられてる土地は自治体が買収できない
     ・移転先の土地の地権者や相続者が行方不明等で用地取得が難航
     ・土地の売却価格を提示するための土地面積、境界確定作業の遅延
   
     土地問題に関しては(手続きが煩雑な)平時の制度を大震災の復興時に適用する
     ことによる事業の遅れが顕著に表れています。
   
     土地問題が絡む復興事業の遅れはこちらの記事に詳細をまとめました。   
   
    
    
    地域コミュニティの問題
     
      防災集団移転事業は経済的負担が重く、時間もかかることから、移転促進区域
      内から災害公営住宅への移住を希望する方も多くいます。
   
      災害公営住宅の希望は買物、病院、交通等、生活の便が良い地域に集中しており、
      他の地域の過疎につながる心配が出ている状況です。
      参考:日本経済新聞(2012/10/22)
   
      災害公営住宅の建設場所にも関係する話ですが、防災集団移転は経済的負担が重い
      ことから移転促進区域内の住民が全員、移転先の土地で家を建てるられるわけ
      ではありません。災害公営住宅と移転先の住宅団地をどのように配置し地域
      コミュニティを維持、再構築するのかが重要課題となっています。
   
    
    
    建設業者の人材、資材不足・価格高騰の問題
       
      建設資材、人材の不足や高騰に起因する入札不調。不調による復興工事の
      遅れは集団移転以外にも影響しているので別記事にまとめました。
      ※ 復興の遅れ:復興工事を阻む入札不調
   
    
    
   進捗状況
   ※ 以下2012年11月9日の復興推進委員会より。
   
    防災集団移転促進事業
    想定地区数:276、復興交付金配分地区数:184、大臣同意地区数:166
    岩手県:想定地区数:113、大臣同意地区数:30
    宮城県:想定地区数:185、大臣同意地区数:145
    福島県:想定地区数:57
   
    ※ 大臣同意
      自治体が策定した防集の事業計画書に対し、国土交通相が与える事実上の認可。
      同意を受けた自治体は、移転先の用地買収や整備など具体的な作業を始められる。
      計画書の提出から同意までは通常1か月ほどかかる。
      引用:読売新聞(2012/6/20)
   
      
   
 
   参考:()
 
 
  被災3県、復興工事の増加に伴い、労災増加(概要へ)
   対象:被災地の復興工事従事者  内容:復興工事の増加に伴う、被災3県の労災状況  (ID:26)
 
  復興の遅れ:復旧・復興工事を阻む入札不調(概要へ)
   対象:  内容:  (ID:46)
 
  復興の遅れ:難航する復興事業の土地買収(概要へ)
   対象:  内容:  (ID:47)
 
  復興の遅れ:埋蔵文化財の調査で遅れる工事の着工(概要へ)
   対象:  内容:  (ID:48)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  被災3県、復興工事の増加に伴い、労災増加(見出しへ)
 
   1~7月の建設業の宮城県内の労災事故:前年同期の54%増、288人
   1~7月の建設業の岩手県内の労災事故:前年同期の8人減、126人
   ※ 岩手県は2010年度比では31.6%増
   1~7月の建設業の福島県内の労災事故:前年同期の22.4%増、218人
   着工の増加、工期優先で安全管理に影響
   
 
   参考:河北新報(2012/9/5)
 
 
  復興の遅れ:復旧・復興工事を阻む入札不調(見出しへ)
 
   最終更新日:2012年12月1日。
   ※ 復興JVの活用状況を追記。ほとんど活用されてない実態が判明。
   
   復旧・復興工事の需要が大幅に増加するなか、工事が遅れる大きな
   要因となっている入札不調についてです。
   
   ※ 入札不調
     入札者がいない、または予定価格を下回る金額の入札がなかったため、
     入札行為を中止することです。
   
    
    
   ・入札不調の現状と事例
   
   ・入札不調の原因
   
   ・入札不調への対策
   
   
    
    
    
   入札不調の現状と事例
   
    2011年度の後半から本格的に増えてきた復興事業。予算が執行されれば
    順調に工事が進むと思いきや、そうではない現状についです。
   
    近年の公共工事の減少に伴い、人員整理等、経営の合理化を迫られていた建設業界。
    そんな中での復興工事はあまりに規模が大きすぎ、業者が対応できない事態が
    発生しています。
   
   
    宮城県では2012年度に入り、不調に終わったのは発注価格別では1000万~1億円は
    43%。2011年度は1年間は28%。3億円以上の39件は全て落札されてる状況です。
   
    しかし、1億円未満の小規模工事が敬遠されてきた2011年度と比べて、2012年度
    からは1億円以上の工事の不調も、2011年度の10%から2012年度は20%と増加。
    発注価格が高い工事にまで、入札不調で工事が遅れる事態が増加しています。
    
    
    ※ 宮城県契約課によると、不調となった入札は条件を変えて再入札を行い、
      大半が落札されるとのこと。
    参考:河北新報(2012/8/30)
    参考:毎日新聞(2012/10/29)
   
   
    
    以下は宮城県沿岸部市町村の2011年度と2012年度8月末までの入札全体に対する
    不調の割合です。
   
        2012年度 2011年度
    仙台市: 30.2% 32.0%
    石巻市: 49.5% 19.3%
    塩竃市: 19.1% 18.0%
    気仙沼市:24.2% 34.3%
    名取市: 27.1% 25.8%
    多賀城市:17.5% 8.8%
    岩沼市: 10.9% 12.3%
    東松島市: 3.8% 7.6%
    亘理町    0% 1.3%
    山元町:   0% 2.6%
    松島町: 24.0% 20.4%
    七ヶ浜町:16.7%  2.8%
    利府町:   0% 3.3%
    女川町: 12.5%  0%
    南三陸町: 6.3%  0%
    引用:河北新報(2012/10/23)
   
   
    また国土交通省が岩手、宮城、福島の被災3県と仙台市が4?8月に発注した
    公共工事の入札を調査した結果は次の通りです。
    入札不調の割合は、仙台市が47%(96件)と最も高く、宮城県34%(87件)
    福島県20%(99件)岩手県7%(19件)。9月も同水準が継続しています。
    参考:毎日新聞(2012/10/29)
   
   
    
    
    入札不調の事例
   
    入札不調が発生した復旧・復興事業の実例の紹介です。
    
    
     陸前高田市の小中学校2校の災害復旧工事
      ・入札へ参加予定だった8社が「複数の工事を抱えて手が回らない」と全社辞退。
      参考:岩手日報(2012/9/29)
   
     県沿岸広域振興局・大船渡地域振興センター管内の公共事業
      ・2012年9月11日までに予定していた公共事業58件中13件で、入札に参加した
       業者がゼロ。
      参考:毎日新聞(2012/9/23)
   
     気仙沼市、漁港整備の工事
      ・2012年8月末に入札がありましたが、8件中6件で応札者なし。
      参考:河北新報(2012/9/22)
   
     大船渡市、災害公営住宅として利用する雇用促進住宅の改修工事
      ・2012年8月下旬に入札を予定するも、指名の建設会社10社が全て辞退。
        災害公営住宅への入居時期が2ヶ月遅れる結果に。
      参考:岩手日報(2012/9/24)
   
   
    
   入札不調の原因
   
    震災前と比べてあまりに多い入札不調。入札を辞退する業者側の見解を
    掲載している記事の紹介です。
   
    宮城県は(2012年)7~8月、県内29社を対象に不調に関する実態調査を実施。
    原因として、業者の多くが専門的な技術者や労働者の不足、人件費や原材料の
    単価の上昇を挙げた。
    引用:河北新報(2012/8/30)
   
    (福島)県内建設業は震災前まで長年、続いてきた公共工事の縮減により、
    業者数、就業者数ともに減少傾向が続き、突然の需要拡大に対応できて
    いないとみられる。
    引用:福島民報(2012/6/23)
   
    ある建設会社の関係者は「うまみがない(利益率が低い)」と明かす。
    「協力はしたいが事業規模の小さな改修工事はもうからない。人手も足りない今は、
    がれき選別や民間の仕事の方が得」だという。
    引用:毎日新聞(2012/9/23)
   
    
    
   入札不調への対策
   
    入札不調が多発する中、政府、自治体、民間企業等が解消に向けて
    人材不足解消に向けた支援制度の創設、作業員の宿泊施設の確保、従来制度の
    一部改正等に取り組んでいます。
   
    
    
    人材不足(技術者不足)への対応
   
     大幅に増加した復興工事への人員不足に対応するため、国土交通省は
     被災地域の企業と被災地域外の企業が共同企業体(JV)を組み、入札に
     参加できる復興JV制度を2012年2月に創設。
   
     従来は地元企業のみ参加できる入札に関して、被災地域外の建設企業と
     被災地域の建設企業がJVを組んで事業を請け負い、技術者不足を補う狙いです。
     参考:国土交通省(復興JV制度について)
    
    
     岩手県の復興JVの運用
      予定価格が2500万円以上5億円未満工事で、土木工事、建築一式工事、
      舗装工事、防水工事等、全19業種を対象に復興JVを2012年8月以後導入。
      ただし復興JVの構成企業は県内業者に限定。
   
    
     宮城県の復興JVの運用
       年10月15日以降発注する工事で、復興JVが入札できる対象工事を拡大。
   
     ・復興JVが入札可能だった事業費を1~5億円から3000万~19億4000万円に拡大。
     ・従来の土木一式と舗装の2工事種別に加え、建築でも入札可能に。
     ・1社が登録可能だった復興JVの制限を2から3に緩和。
     参考:読売新聞(2012/10/2)、朝日新聞(2012/10/3)
   
    
      宮城県の復興JVに関する詳細はこちら(県HP)
      岩手県の復興JVに関する詳細はこちら(県HP)
      福島県は県発注の工事は地元業者にと復興JVを見送り。
   
    
     復興JVの活用状況
      国土交通省のまとめで、今年度から導入された復興JVが活用された工事は
      わずか4件、発注件数の1%にも満たない状況が判明。
      参考:読売新聞(2012/11/25)
   
   
    
     入札不調の原因の1つである技術者不足を解消するため、復興JVの導入や、
     対象となる工事種別、事業費、登録制限等の緩和が徐々に進んでいる状況です。
    
     また、違う工事であっても現場の距離が5km以内であり、同一の建設会社
     であれば専任の主任技術者の兼任を可能にするなど、技術者の配置基準の
     緩和にも取り組んでいます。
     参考:国土交通省(主任技術者の専任について)
   
     しかし復興JVの活用状況が表しているように、対策が期待するほど効果を出して
     おらず、さらなる改善策が求められている状況です。
   
    
    
    作業員の宿泊施設確保へ
    
     人員不足の背景には全国から集まる工事関係者に対し被災地での宿泊施設
     不足の問題もあります。
     津波被災によって被災地の宿泊施設の多くが休業、廃業し、民間賃貸住宅も
     みなし仮設として被災者が利用しているためです。
   
     そのため長期滞在となる復旧・復興作業員の宿泊施設を支援する動きもあります。
   
    
     宿泊施設支援の事例
   
      リース大手のオリックスは岩手、宮城両県の沿岸に計10棟のビジネスホテルを
      建設。工期の短い工法を採用し、本年度中に全て完成させ被災地の宿泊施設の
      需要に対応へ。
      参考:河北新報(2012/9/11)
   
      陸前高田市は被災した矢作小学校を改修し、被災者の生活支援などに当たっている
      ボランティアや復旧工事関係者が当面無料で利用できるようにしています。
      参考:陸前高田市災害ボランティアセンター(2012/8/17)岩手日報(2012/2/23)
   
      南相馬市では中小企業基盤整備機構が仮設宿泊施設「ホテル叶や」を整備。
      2012年8月17日にオープン。中小機構が被災地で仮設宿泊施設を整備するのは初。
      参考:福島民報(2012/8/18)
     
      南相馬市は2012年6月、復興事業に携わる企業が作業員向けの住宅を
      整備する場合、一戸50万円を上限に建設費の10%を補助する方針を決め、
      1億円の補正予算を計上。
      引用:河北新報(2012/7/17)
   
   
       再開した宿泊施設が当面は復興作業員に限定するほか、大手企業による
      宿泊施設の建設、自治体による資金補助、被災公的施設の転用など、
      各種支援の動きが広まっています。
   
   
    
    
     労務単価、原材料費高騰への対策
   
      国土交通省は高騰する人件費に対応するため公共工事発注の労務単価の
      見直しも行っています。
   
      毎年10月に行われていた公共工事の予定価格に反映される労務単価。
      これを最新月の実態を反映するべく、基準となる労務単価に乗じる
      補正係数を建設会社等へのアンケートより算出。2012年2月から実施中。
      参考:国土交通省(主任技術者の専任について)
   
    
      岩手県では県発注の公共工事で、契約後に最新の資材単価を反映して、
      工事費の変更を認める新たな運用基準を2012年8月より設けています。
   
      工事費を決める設計段階から契約までに一般的な工事で約半年の期間が
      開くことが有り、その間の原材料費の高騰に対応するためです。
      参考:毎日新聞(2012/9/8)
   
   
      対策が追いつかない人件費の高騰
   
       宮城県は2月、労務単価を1日1万1100円から1万1800円に増額。
      しかし、県建設業協会の調査では実際の単価は1万3000?1万4000円。
      石巻市の担当者は「県が現状を調査する間のタイムラグがあり、
      後追いになっている」と指摘する。
      引用:毎日新聞(2012/10/29)
   
   
    
    
     人員増加や設備投資は慎重
   
      技術者の配置基準の緩和、人件費、原材料費の実態を反映した施策でも
      中々効果が表れない現状。その背景には、復旧・復興工事は一時的であり
      近年の公共工事の減少による建設業界の不況のため、今後の経営を考慮して
      人員増加、設備投資にためらう業者が多いことが挙げられます。
    
      (福島県)会津地方の建設業者は「3~5年で仕事が減る。新たな設備投資や
      人員確保はリスクが大きい」と話す。
      引用:福島民報(2012/6/23)
   
      宮城県は「現場では原材料確保が難しく、運搬車両も足りない。
      復興後の経営を考えると、人員を増やしにくいようだ」と分析。
      引用:河北新報(2012/8/30)
   
    
   
     
   
 
   参考:()
 
 
  復興の遅れ:難航する復興事業の土地買収(見出しへ)
 
   最終更新日:2012年11月13日
   ※ 11月12日、土地の抵当権解除に向けて新たな動きがありました。
   
   復旧・復興事業で難航している県や市町村による土地買収。
   
   震災がなくとも一筋縄ではいかない手続きが、震災によって土地所有者や
   相続人が行方不明または死亡していることで、問題を複雑にしています。
   
   さらに住宅ローンが完済していない等、被災宅地が金融機関によって
   抵当権が設定されているため、自治体が買取れない事態も発生しています。
   
    
    
    
   ・土地問題を巡る果てしない作業
   
     地権者の確定問題:未相続、地権者が死亡・行方不明、相続争い、多人数で共有
   
     買収対象の土地面積の確定作業
   
     地権者との交渉
   
     被災地首長の声:土地取得に特例措置を
   
   ・抵当権がついた土地問題
   
     金融機関:復興支援と経営リスクで板ばさみ
   
     住宅ローン完済せずとも抵当権を解除
   
   
   
   
    
    
    
    
   土地問題を巡る果てしない作業
   
    復旧・復興事業で不可欠な行政による土地買収。迅速な買収を望むも震災による
    影響と従来制度の壁が立ちふさがり難航しているのが現状です。
   
   
    
    自治体による土地買収が難航する要因
   
     自治体が復興事業のため土地を買収するにあたり、「土地所有者(地権者)の確定」、
     「買収対象の土地面積の確定」、「地権者全員からの同意」が必要となってきます。
   
    
     特に一筋縄で行かないのが地権者と土地面積の確定です。
   
    
     土地問題を複雑にしている最大の原因は、地籍調査が完了してない地域は不動産の
     所有者、面積、境界等を記載している登記簿が不完全だからです。
     さらに長年未相続の土地が多いことも相続資格者数が増えることで問題に拍車を
     かけています。
     ※ 地籍、地籍調査の詳細はこちら(国土交通省)
   
    
     境界を決める地籍調査は市町村の担当ですが、労力不足などで思うようにはかどらず
     不動産登記法で定められた境界を経度や緯度で示す地図が未整備の地点が少なくない
     ようです。
     参考:河北新報(2012/6/24)
   
    
     そのため、登記簿から土地の境界、面積や土地所有者が判明しないケースが
     多く、それを確定させる作業が必要になってきます。買収する土地面積を確定させる
     ためには、土地の境界を確定させる必要があります。境界確定には隣接する土地を
     含めた地権者全員の同意が必要です。
   
    
    
    地権者の確定問題:未相続、地権者が死亡・行方不明、相続争い、多人数で共有
   
     土地を買上げるためには地権者を確定しなければなりません。しかし今回被災の
     自治体では、先祖代々受け継がれ相続手続きがされてない土地や、所有者、相続者が
     死亡または行方不明等で難航するケースが目立つ状況です。
   
     用地取得は土地所有権を相続した全員から同意を得る必要があり、行方不明者が
     含まれ交渉がまとまらない場合、親族らには不在者財産管理人制度や失踪宣告制度も
     検討してもらいます。
     参考:河北新報(2012/6/24)
   
   
     以下は買収対象となる土地の未相続や相続資格者が多人数に上る実例です。
   
    
     東北地方で整備が進められている「復興道路・復興支援道路」(詳細はこちら)。
     事業区間の買収予定地に関して、国土交通省三陸国道事務所
     
     これまでの調査で、30か所が「登記が不完全で境界が未確定」、20か所が「相続人が
     行方不明か、相続争いがある」、10か所が「10人以上の地権者が共有している」状況で
     あることを確認。
     引用:読売新聞(2012/10/8)
   
    
     岩手県の復旧事業
     岩手県が実施する防潮堤かさ上げなどの復旧事業で買収予定の民有地約950区画
     のうち約4割が所有者不明だったり、所有者が多すぎたりして取得が難しいことが
     1日、県の調査で分かった。
     引用:毎日新聞(2012/8/2)
   
    
     女川町の移転候補先
     町が移転先に見込んだ山林の土地名義人が約50年前に死亡していたケースも
     その一つ。調べると、相続の資格がある関係者は子や孫ら27人に上ることが
     分かった。関係者同士の話し合いで名義人を絞った後の交渉になるが、名義変更
     には労力も費用も掛かる。
     引用:河北新報(2012/9/14)
   
    
     大槌町赤浜
     赤浜は震災前に町が地籍調査をしていなかった。土地登記を調べると、所有者が故人の
     所もあった。震災で死亡した場合も、名義の書き換えをせず何代も続いている場合も
     あった。「所有者を確定するために親族で協議したり、相続権のある親族に会いに
     海外まで行かねばならなかったりすることもありうる」
     引用:朝日新聞(2012/9/11)
   
    
     岩手県による沿岸12市町村の調査
     震災で所有者が行方不明となっているケースが多く、明治時代の所有者45人が
     登記したまま相続人をたどると延べ326人となる区画もあったという。
     引用:毎日新聞(2012/8/2)
   
    
     南三陸町
     集団移転事業の予定地の一部に、相続が行われていない土地が含まれていることが
     判明。この土地を対象から除外し、他の土地を計画に加えるなど、事業を見直さざる
     を得なかった。
     引用:読売新聞(2012/8/25)
   
    
    
     所有者不明の土地取得問題
     所有者不明の土地取得のため家庭裁判所で手続きすると最低3カ月かかる。
     買収難航による土地収用手続きは国との事前協議も含めるとさらに長期間を
     要するという。
     引用:毎日新聞(2012/8/2)
   
    
     土地の地権者確定、相続問題が復興事業のスピードを鈍らせ、自治体職員の
     負担になっていることが伺えます。
   
    
    
    買収対象の土地面積の確定作業
   
     土地を買収するにあたり、土地面積を確定するための境界が、津波被災で不明に
     なったり、地震による地盤のずれで曖昧になるなどの問題が発生。地籍調査が
     終わってない地域も多く、自治体は境界の確定作業に追われています。
   
    
     土地の境界確定には隣接する土地の地権者を含めた関係者の立会いによる確認作業が
     必要です。さらに、土地所有者の死亡や行方不明で、土地の相続資格者が相当数に上る
     ことが、時間がかかる要因となっています。
   
     ※ 土地買収面積の確定に必要な立会い
       土地区画整理事業などで自治体が用地取得する際、登記簿に記載された面積と
       実際の面積が異なることが多いことから、通常所有者の立ち会いの下で測量を
       行って面積を確定させる。
       引用:読売新聞(2012/10/5)
   
    
     仙台市
     震災の地殻変動で土地が東に数メートルずれたうえ、擁壁などの境界線が
     津波で流失した。「土台ごと流された家もあるし、古い家だと境界線自体が
     無かったところも多い」。
     引用:朝日新聞(2012/7/8)
   
    
     岩手県田野畑村
     7~8月に移転事業の候補地計5か所で立ち会いを行った。海岸に近い予定地は、
     共同所有者を含めると約50人もの地権者がいたという。中には新潟県や青森県から
     来てもらったケースもあったといい、岩手県土地開発公社の担当者は「ここまで
     こぎ着けるのに4か月もかかった。用地取得には地権者全員の同意が必要なので、
     まだまだ気が抜けない」と話していた。
     引用:読売新聞(2012/8/25)
   
     
     土地の面積や境界を明確にする地籍調査の県内の進行率は11年度末で83%。
     宮古、釜石など被災4市町に限ると33~44%にとどまり、用地取得に時間がかかる
     要因になっている。
     引用:河北新報(2012/)
   
    
    
    面積確定手続きの簡略化:立会い省略への動き
   
     自治体が仮の境界と面積を算出し、関係者に送付することで、立会いの手間を
     最小限に抑える動きも広まりつつあります。関係者が集まる立会いは異論があった
     時だけにする取組みです。
   
    
     大槌町
     登記簿上の面積に一定の割合を乗じて買収面積を算出し、
     所有者らに「確認書」を送付して交渉を進める。立会いの
     下での測量を省くことを決めた。
     引用:読売新聞(2012/10/5)
   
    
     仙台市
     市は公図や道路台帳など既存資料を駆使して仮境界を設け、
     面積を算出する方針を打ち出した。仮面積は仮境界の写真を添えて土地所有者に送付。
     異論がなければ、隣接所有者も含めた立ち合いの確認作業を省き面積を確定。 
     引用:河北新報(2012/9/14)
   
    
    
     土地の境界確定、撤去作業の不安
   
     移転する被災者の方からすれば、被災宅地を少しでも高く売り、今後の住宅再建や
     災害公営住宅入居後の生活の原資にしたいところ。だからこそ、震災で不明に
     なったり、今まで明確でなかった土地の境界を明確にすることは、隣人トラブルに
     ならないか心配する方が多いようです。
   
    
     仙台市の町内会の会合での市幹部らへの測量に関する質問
     「みな自分の土地を少しでも高く売りたい。でも、震災で親が亡くなり、
     どこが境界線かを知らない若い世代もいる。隣同士でもめ事になるのでは」
     引用:朝日新聞(2012/7/8)
   
    
     気仙沼市では建物の基礎を撤去すると、土地の境界がわからなくなり、
     隣人トラブルにつながる懸念から、二の足を踏む方が少なくないようです。
     参考:河北新報(2012/10/14)
   
    
    
    地権者との交渉
   
     復興に貢献すべきと復興事業促進のため地権者が自治体による買収に協力する
     一方、諸事情で難航するケースも見受けられます。
   
    
     以下は買収が難航する事例の紹介です。
   
    
     移転場所に想定していた高台の地主に交渉に行くと「家を流された親族の家を
     建てるから」と断られ、別の場所を探さざるを得なくなることもあった。
     引用:朝日新聞(2012/9/11)
   
    
      町と被災者が連名で移転候補先の地権者に協力を呼びかけても難航。
     「金額が高くても手放さない」と話す地権者の女性は、こう続けた。「先祖様
     から譲り受けてきた土地で米や野菜を作って、孫に食べさせるのが生きがいなんだ。
     農地を潰したら生きがいも奪われてしまうのさ」
     引用:読売新聞(2012/6/20)
   
    
     宮古市でも復興住宅の用地不足から私有地を探しているが、担当者は「地権者から
     いい感触を得ても、金銭面でなかなかうまくいかない。民間業者など、土地を
     求めるライバルも多い」
     引用:読売新聞(2012/7/25)
   
    
    
    被災地首長の声:土地取得に特例措置を
   
     平時の制度、手続きを大震災の復興事業に適用することが復興速度を著しく
     鈍らせていることは明らかです。被災地自治体の首長から土地問題に関して
     特例措置を求める声があがっています。
   
    
     大槌町長
     「いったん町が買い上げて事業を進め、権利調整は後でする、といった時限措置の
      法的な裏付けを国にお願いしたい。そうでもしないと、職員をいくら増やしても
      足りないし、復興も進まない。」
      引用:河北新報(2012/9/3)
   
    
     岩手県知事
     「多くの時間と手続きを要する土地問題については、一定期間、市町村へ管理・処分
      権限を付与するなどの特例措置を認めるべきではないか。復興には平常時と異なる
      ルールが必要だ。」
      引用:毎日新聞(2012/9/16)
   
   
   
    
    
   抵当権がついた土地問題
   
      多くの自治体は規則で、公有財産を取得する場合は所有者に抵当権を消滅させ、
      取得に支障がないようにするよう定めています。
      引用:河北新報(2012/10/27)
   
      防災集団移転事業も例外ではなく、自治体は集団移転に伴う被災宅地の買取りに
      際し、原則、権利関係が複雑な抵当権の抹消を条件に設定。
   
      ※ 抵当権
        借金をする際の担保物件です。債務者が返済不可能に陥った際の、
        金融機関の保証として契約されます。借金を完済すれば抵当権抹消の
        手続きができます。
   
    
      仙台市では沿岸部の移転対象となる土地の1/4に抵当権が設定されていることが判明。
      名取市では土地区画整理で売却希望の土地の約2割に抵当権が設定。
   
      この抵当権が設定され、買取れない土地が集団移転の障壁となっています。
    
    
    金融機関:復興支援と経営リスクで板ばさみ
    
     抵当権抹消に消極的だった金融機関。債権回収の手段を失い、不良債権が増える
     恐れからです。政府全額出資の住宅金融支援機構は、抵当権抹消の方針を打ち出して
     いますが、民間金融機関側は抵抗感が強い状況。
   
    
     銀行関係者:「債務が残っているのに抵当権を解除するのは無担保融資と
     同じ。被災者だからといって、そんなリスクはおかせない」
     「検討中だが、通常は完済しないと外せない」(七十七銀行)
     「保証会社の取り決めもあり当行のみでは決定できない」(大東銀行)
     引用:朝日新聞(2012/10/22)
   
    
     抵当権が残る被災宅地は震災前より資産価値が低下し、買い取り価格がローン
     残高より少なくなるケースが大半と見込まれ、全額を納入されても残債が残る
     抵当権抹消に金融機関が応じづらい状況でした。
     参考:産経新聞(2012/11/8)
   
    
     しかし、抵当権を抹消し集団移転に協力しない限り復興が進まないとの
     認識が金融機関で徐々に浸透。復興事業の遅れは将来の顧客にも影響する懸念や
     金融庁や宮城県銀行協会による抵当権解除の要請もあり、一定の要件を満たせば
     抵当権解除を検討する金融機関が増えてきました。
   
    
    
     住宅ローン完済せずとも抵当権を解除
   
     住宅金融支援機構は、集団移転対象者がローンを完済できなくても抵当権の
     解除に応じる方針。「協力しないと復興が遅れる」という理由からです。
     債務が残る場合は、移転先の土地や家に新たに抵当権をつけ直します。
     参考:朝日新聞(2012/10/22)
   
     
      同機構は2012年11月12日に県内の説明会でこの新方式の発表を行い、宮城県内
     の主な金融機関も同調する方針。自治体が買取った被災宅地の代金全額をローン
     返済に充てることで、金融機関が抵当権を解除。債務が残る際は上記通り、
     移転先の土地や建物に抵当権を付けます。
   
    
     ローンの額自体が減るわけではありませんが、事業が進展することから自治体や
     被災者からは評価の声が上がっています。
     参考:朝日新聞(2012/11/13)
   
 
   参考:()
 
 
  復興の遅れ:埋蔵文化財の調査で遅れる工事の着工(見出しへ)
 
   最終更新日:2012/11/20
   ※ 記事投稿
   
   災害公営住宅整備事業、防災集団移転促進事業、復興道路の整備等、
   土地造成にあたり土木工事が必要となる復興工事が、埋蔵文化財の
   影響を受けて着工が遅れる事態が発生しています。
   
   このページでは埋蔵文化財が工事に与える影響と、今後の展開について
   随時、追加・更新しながら追っていきます。
   
   
   
    
    
   ・工事と埋蔵文化財の関係について
   
   ・発掘調査の期間と復興工事への影響
   
   ・埋蔵文化財が事業に影響する事例
   
   ・発掘期間の短縮へ
   
   
   
   
    
    
    
   工事と埋蔵文化財の関係について
    埋蔵文化財の復興工事への影響を説明する前に、日本で土木工事をする際の
    手続きについて簡単に紹介します。
   
    日本では掘削を伴う土木工事等の開発事業を行う際、工事区域又は隣接地に
    埋蔵文化財がないか(遺跡がないか)教育委員会が保存する遺跡地図を照会
    する必要があります。
   
    ※ 埋蔵文化財とは
    土地に埋もれている文化財を「埋蔵文化財」と呼び、遺構(住居跡・古墳など)と
    遺物(土器・石器など)のことを指します。この埋蔵文化財が埋もれている土地を
    「埋蔵文化財包蔵地」(遺跡)と呼びます。
   
    埋蔵文化財包蔵地(遺跡)は、教育委員会が実施する遺跡の分布調査や
    試堀調査により随時登録されています。
   
    最新の遺跡分布地図を元に、工事区域又は隣接地に遺跡が存在する場合は試掘
    調査を行い、その結果を教育委員会に報告する必要があります。
   
    試掘調査の結果、埋蔵文化財が発見された場合は、文化庁長官(主に県教育長)
    に工事着工の60日前に届出をし、指示を仰ぐことが文化財保護法によって
    規定されています。
   
    指示内容は主に1:発掘調査、2:工事立会、3:慎重工事、4:工事中止で現状
    保存となります。
   
    
    
   発掘調査の期間と復興工事への影響
    ここから本題なのですが、復興道路や防災集団移転事業等、復興工事に係る東北の
    山林の土地には、未調査の遺跡が多数確認されています。
   
    そのため、本格的な発掘調査が必要となるケースが多く、発掘専門職員の不足や
    発掘による復興工事の遅れが問題となっています。
   
    
     岩手県の遺跡数
     岩手県内には縄文時代や古代を中心に1万2505か所の遺跡があり、沿岸の
     12市町村では3635か所が確認。
     参考:読売新聞(2012/11/14)
   
     
     発掘期間は遺跡の規模次第
     宮城県教委文化財保護課は「数軒程度の小さな集落なら1カ月程度で終わるし、
     比較的規模の大きい館なら最長2年かかったときもある。こればかりは掘って
     みないと分からない」と説明する。
     引用:河北新報(2012/3/21)
   
   
    
    
   埋蔵文化財が事業に影響する事例
   
    実際に東北沿岸部の復興工事において、遺跡が確認されているため調査が
    必要となり、工事に影響がでている事例を紹介します。
   
     
     多賀城市
     復興道路の一部として整備予定の多賀城インターチェンジ付近にある「山王遺跡」で
     発掘調査が必要。
     参考:河北新報(2012/3/27)
   
    
     南三陸町
     複数の集団移転候補先から中世戦国時代の館跡などの遺跡が見つかり用地選定が難航。
     参考:河北新報(2012/3/21)
   
    
     大船渡市
     大 渡市の越喜来湾に程近い高台にある縄文中期の集落跡。集団移転の候補先と
     なっており、発掘調査の早期完了に被災者の方は気をもんでいます。
     参考:読売新聞(2012/11/14)
   
    
     山田町
     佐藤町長「(集団移転候補地の)高台に埋蔵文化財があり、発掘調査をしなくて
     はならない。調査員が足りず、復旧・復興に大きな障害となっている」
     引用:河北新報(2012/9/7)
   
    
     野田村
     野田村野田の南浜高台団地の集団移転の造成予定地。10月の試掘で縄文時代の
     ものとみられる狩猟のための落とし穴跡や、平安時代のものとみられる竪穴
     住居跡が発見。11月7日より急ピッチで発掘調査が開始されてます。
     参考:岩手日報(2012/11/8)
   
   
    
     批判の一方、調査必要との声も
     本格的な発掘調査を必要とする場合は時間がかかるため、今生きている人間と
     大昔の遺跡のどちらが大事なんだと批判の声もあります。しかし、有識者からは
     調査の意義を訴える声も上がっています。
   
    
     専門家からは「過去の津波災害で高台に移った形跡など、学術的に有益な遺跡がある
     可能性もある。住宅建設を急ぐ必要性は理解するが、きちんとした調査も必要だ」
     との声もある。
     引用:河北新報(2012/3/21)
   
    
     発掘調査が復興の足かせになっていると見る風潮もあるが、(岩手)県教委は
     「調査にはプラス面もあり、復興と文化財保護は両立しなければならない。
     そのためにも人員不足は早期に解消する必要がある」
     引用:読売新聞(2012/11/14)
   
   
    
   発掘期間の短縮へ
   
    遺跡調査が長引けば、災害公営住宅や防災集団移転事業といった、住宅再建への
    土地造成が大幅に遅れることになります。復興の遅れは人口流出にもつながり
    かねないので、調査区域の縮小や、被災者参加の協力、外部からの職員派遣など
    調査の早期完了に向けての動きがあります。
   
    
     宮城県教育委員会、発掘基準を弾力運用
      県教委によると、復興事業で埋蔵文化財調査が必要な場合、「全面を掘る」としている
      調査基準を緩和し、原則的に工事で壊される範囲のみの調査を実施する。
      引用:河北新報(2012/3/27)
   
    
     被災者が発掘調査に協力
      大船渡市三陸町越喜来の崎浜地区の防災集団移転促進事業による高台移転
      移転候補地。同地区で見つかった中野遺跡の発掘現場では地域の復興を前に
      進めようと被災者も参加。慣れない発掘作業に従事しています。
      参考:岩手日報(2012/11/17)
   
    
     発掘専門職員の派遣
      文化庁は9月下旬、従来は都道府県と政令市のみに通知していた派遣募集に、
      政令市以外の市にも照会するよう都道府県に求める一文を新たに加えた。
      今月下旬に結果がまとまるが、要望は被災3県で約70人に上る。
      引用:読売新聞(2012/11/14)
   
    
    
     2013年度以後は災害公営住宅の整備や防災集団移転促進事業での土地造成が
     本格的になってくるため、専門職員の増援や、さらなる制度の弾力運用、
     規制緩和等が求められています。
   
   
   
    
    
   
 
   参考:()
 
 
  2012年10月以後の医療費、保険料負担(概要へ)
   対象:旧警戒区域等や住宅が全半壊した等の被災者  内容:10月以後の医療費、保険料負担について  (ID:31)
 
  被災病院の再開状況(概要へ)
   対象:被災者全員  内容:被災病院の再開状況  (ID:34)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  2012年10月以後の医療費、保険料負担(見出しへ)
 
   2012年9月21日更新。
   
   被災者の医療費や保険料を国が全額負担する制度が2012年9月末で終了。
   10月以降国の補助は最大8割に。各市町村が制度を継続させる場合は
   残り2割の負担が発生し、地域差が生じる可能性。県が財政支援へ。
   
   ※ 減免対象は家計を支える人が死亡したり自宅が全半壊した人、かつ
     国民健康保険か、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度の加入者
   
   岩手県
    市町村の財政負担が一律1割になるよう県が財政支援。
   
   ・医療費窓口負担と介護サービスの利用料
    2013年3月まで免除を延長。
   
   ・医療保険料(国民健康保険、後期高齢者医療保険)の減免措置
    9月で打ち切り。
    ※ 陸前高田市のみ市単独で国民健康保険料の減免を半年延長の見通し。
      
    介護保険料は沿岸部で大半が減免措置を9月で打ち切り。
    ※ 陸前高田市も介護保険料減免は9月で打ち切り。
   
   
   宮城県(全35市町村で決定)
   ・医療費窓口負担と介護サービスの利用料
    2013年3月まで免除を延長。
   
   ・医療保険料(国民健康保険、後期高齢者医療保険)と介護の保険料
    減免措置は9月で打ち切り。
   
   ・2011年度に減免措置を受けた人
    国保加入の被災者で約18万2000人
    介護サービス利用者は約3万6000人
   
   福島県
   ※ 原発事故に伴う旧警戒区域等の被災者
   
   ・医療費窓口負担と介護サービスの利用料、医療保険料と介護の保険料
    2013年2月28日まで国による免除の特例措置は継続。
   
   ※ 警戒区域以外の被災者
    県が残り2割負担の財政支援で最終調整。
   
 
   参考:河北新報(2012/9/11)
      ヨミドクター(2012/9/5)
      福島民報(2012/8/29)
      岩手日報(2012/9/17)
      毎日新聞(2012/9/19)
 
 
  被災病院の再開状況(見出しへ)
 
   震災直後、岩手、宮城、福島の3県では、およそ1500か所の
   医療機関の建物が損壊し、うち600以上が診療不可能に。
   
   震災から1年半、休止は82箇所、廃業は56箇所。
   県別では福島県:69か所、宮城県:54か所、岩手県:15か所。
   
   
 
   参考:NHK(2012/9/12)
 
 
  岩手、宮城、福島3県 障害者1655人犠牲(概要へ)
   対象:被災3県の障害者  内容:障害者の震災犠牲者  (ID:37)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  岩手、宮城、福島3県 障害者1655人犠牲(見出しへ)
 
   被災3県の障害者手帳を所持していた死者数
   
   岩手県
   野田村:3
   田野畑村:3
   岩泉町:3
   宮古市:33
   山田町:60
   大槌町:97
   釜石市:67
   大船渡市:47
   陸前高田市:123
   合計:436
   
   宮城県
   気仙沼市:137
   南三陸町:125
   石巻市:397
   女川町:81
   東松島市:115
   松島町:5
   七ヶ浜町:8
   多賀城市:17
   仙台市:53
   名取市:76
   岩沼市:12
   亘理町:23
   山元町:54
   合計:1103
   
   福島県
   新地町:17
   相馬市:12
   南相馬市:18
   浪江町:24
   双葉町:2
   富岡町:3
   楢葉町:1
   広野町:4
   いわき市:35
   合計:116
   
   被災3県の合計:1655
 
   参考:河北新報(2012/9/24)
 
 
  震災で休止中の鉄道路線の再開時期一覧(概要へ)
   対象:沿岸部の鉄道  内容:東北沿岸部で休止中の沿線の再開時期  (ID:38)
 
 
 
 
 
 
 
概要一覧
 
  震災で休止中の鉄道路線の再開時期一覧(見出しへ)
 
   2012年10月16日更新。
   ※ 常磐線の浜吉田~相馬間の運転再開予定時期が決定。
   
   東日本大震災の影響で運転を休止している鉄道の状況です。
   参考:復興庁(復興の現状と取組み)
   
   
   三陸鉄道北リアス線
    田野畑~小本間:2014年4月頃、全線運行再開予定。
   
   三陸鉄道南リアス線
    釜石~盛間:2014年4月頃、全線運行再開予定。
   
   JR山田線JR大船渡線JR気仙沼線
    復旧方策を検討中。JRと沿線自治体で高速バス輸送システム(BRT)による
    仮復旧を行うことで合意。2012/8/20に気仙沼線の陸前階上-最知間
    BRTの暫定運用開始。
   
   JR石巻線
    渡波~女川間:女川駅を除き、2013年度初の運転再開を目指す。
           女川駅は復旧方策を検討中。
    
   JR仙石線
    高城町~陸前小野間:ルート移設等により2015年度内に
              運転再開を目指す。
   
   JR常磐線
    亘理~浜吉田:2013年度春、運転再開予定。
    浜吉田~相馬:ルート移設等により、2017年春に運行再開予定(産経新聞、2012/10/13より
    原ノ町~広野:「JR常磐線復旧に係る検討チーム」にて対応を検討中
   
    ※ JR常磐線復旧に係る検討チーム
      国交省、環境省、復興庁、厚労省、原子力災害対策本部、JR東日本
   
    
    
   復旧費用と復旧の遅れ
   
    三陸鉄道の復旧費用は鉄道軌道整備法の対象となり本来なら
    鉄道会社が1/2負担、自治体が1/4負担。しかし、東日本大震災では特例措置
    として地元自治体と鉄道会社の実質負担がゼロになるよう2011年の3次補正で決定。
   
    しかしJR東日本は黒字経営のため鉄道軌道整備法の対象とならず復旧費用は
    自己負担。これが復旧の遅れの一因となっている。
   
    
    JR東日本の復旧の遅れの説明
   
   (1)復旧に1千億円以上の資金が必要で、国に財政支援を要請中
   (2)安全の確保や被災地の街づくりの遅れ
    引用:朝日新聞(2012/9/28)
   
    
    
    鉄道軌道整備法
   
     災害復旧の際の公費投入は、鉄道事業が過去3年間赤字で、復旧費が鉄道収入の
    1割を超える事業者に対し、国と自治体が4分の1ずつ、鉄道会社が2分の1を負担。
    引用:朝日新聞(2011/10/7)
   
 
   参考:復興庁(復興の現状と取組み)(2012/8/22)
 
 
随時修正、追加。現在はメモ書きのような感じになってます。
※ 下線が引いてる地区名等はクリックしたら地図上に場所が表示されます。

釜石市

・新日本製鉄の城下町。近代製鉄発祥の地で、今も製鉄所本体と協力会社で約1千人、
 関連会社や敷地内への誘致企業も合わせると約4300人が働き、市の人口の約1割を占める。
 (SankeiBiz:2011/7/28より)

・社会人ラグビー「釜石シーウェイブスRFC」が有名。前身の新日鉄釜石ラグビー部が
 1978年から1984年まで日本選手権前人未到の7連覇を達成、北の鉄人と呼ばれる。

・市の定期観光船「はまゆり」、津波で大槌町赤浜の高さ約10mの民宿に乗り上げる。後に解体。
 被害動画はこちら

・学校にいなかった5名を除き小中学生の2921名が無事、生存率99.8%は釜石の奇跡と言われ
 他の地域の防災教育で参考とされている。(河北新報社:2011/11/26より)
 大津波を生き抜いた子供達を取材した番組はこちら

・大半が被災した三陸鉄道を支援するため市民団体が「復興未来ゆき切符」を企画、販売。
 1枚300円で有効期限は「諦めない限り有効」。収益金は三陸鉄道に全額寄付。
 復興未来ゆき切符のニュース動画
 復興未来ゆきキップ専用HPはこちら
 

写真集 釜石の記録 
※ 釜石全地域の被害状況を記録した写真集

 
 

 市中心部
・甚大な被害にあうもののアーケードの商店街などの町並みをかろうじて残す。
 30年,1200億円かけて2009年に完成した釜石湾の湾口防波堤が一定の効果を発揮したとの見方。
 釜石湾口防波堤は水深63mで世界一深いとギネス認定
 (日本経済新聞:2011/3/31より)

 釜石港湾合同庁舎
※ 釜石港湾合同庁舎からの津波映像へ

 復興天神15商店街
・岩手県の被災地初の仮設商店街。2011/9/16にオープン。
 被災した15店舗が入居。(河北新報社:2011/9/17より)
復興天神15商店街の紹介ページはこちら

 青葉公園商店街
・2011/11/25にオープンした仮設商店街。
紹介ページ(A,B棟)紹介ページ(C,D,E棟)紹介記事1紹介記事2

 サンフィッシュ釜石
・釜石の季節の新鮮な海の幸のほか、山の幸やお土産品、お食事処などが揃う市場。
 震災後は2011/4/1より営業再開。
2Fのグルメ@和の善みや川!は岩手FM釜石支局が絶賛。
サンフィッシュ釜石のHPはこちら

 シープラザ釜石
・飲食店やお土産屋の他に、洋服店や美容室などもある複合施設。震災後は3ヶ月の間
 災害対策本部としての機能のほかに市民の各種相談窓口も開設。

 釜石青果地方卸売市場
・甚大な被害を受け、取引先も被災し今後の目処が立たず廃止。
 震災による卸売市場の廃止は全国初。(河北新報社:2012/4/6より)

 藤勇醸造
創業明治35年、被災後は2011/6/1に販売再開。製品はまろやかな風味が
 特徴で固定客が多数。売り上げの約3割は県外の顧客。(河北新報社:2011/3/31,6/1より)
 藤勇醸造のHPはこちら

 さんてつジオラマカフェ@釜石駅
・場所は釜石駅。2012/3/18にオープンし、三陸鉄道のジオラマを見ながらくつろげます。
 紹介記事1紹介記事2

 三陸釜石元気市場
・三陸釜石の特産品をずらりと並べてネット販売。
三陸釜石元気市場のHPはこちら

 地域ブログ、復興プロジェクト 

 【和】~Ring Project~
・被災家屋等の木材を使ったキーホルダーを制作、販売し、産業と雇用を生み出すプロジェクト。
 制作、販売は被災者の方が行っています。

 かまいしキッチンカープロジェクト
・移動販売車が高い機動力を活かして飲食店の少ない地域に出張、県内外のイベントで釜石をPR。

 FUJIYUのブログ
・藤勇醸造のブログですが釜石市の移り変わりの様子をつづっています。

 
 釜石大好き お酒大好き 海が大好きスキーが大好き
・釜石湾近くで市中心部に近い港町や平田地区などの写真が中心です。

 
 
 
 
 

 平田地域
※ 平田地区の被害動画はこちら

 平田パーク商店街
・2011/12/23にオープンした仮設商店街。
紹介ページ1紹介ページ2

 ヤマキイチ商店
・ホタテを中心とした海産物通販。鮮度を重視した生きたままの「泳ぐホタテ」を
 発送することで有名に。マスコミの取材も多数有り。
ヤマキイチ商店のHPはこちら

 地域ブログ、復興プロジェクト

 ホタテ屋復興までの道のり
※ 釜石市、ヤマキイチ商店、2代目の方のブログです。

 
 

 鵜住居地域
・市全体の半分以上の死亡・行方不明者数を占める地区。
 鵜住居地区の被害に関するニュースはこちら

 鵜住居地区防災センターで68名が犠牲。
・市の地域防災計画では津波が引いた後に避難所として使う「拠点避難所」。
 しかし避難訓練では被災直後に逃げ込む1次避難所として使われたため、
 訓練通りに行動した大勢の方が犠牲に。
(読売新聞:2011/11/22より)
※ 防災センターの被害動画へ
 

 宝来館
・根浜海岸にあるリゾートホテルの女将さんが震災時、旅行客と従業員だけでなく
 近所の人も助けまわられました。カレイドスコープ,2011/4/18より
宝来館のHPはこちら。2012/1/5より営業再開。
震災時と被害の動画
 

 鵜!はまなす商店街
・震災に負けず立ち上がった9店舗でスタート。2011/10/31にオープニングイベント。
紹介ページはこちら

 箱崎町桑ノ浜集落
・集落は約40戸がほぼ流失。住民の方は釜石、遠野、盛岡市などに離散。
・浜は地盤沈下がひどく1年経っても戻れず。(河北新報社:2012/3/20より)
・ホタテ養殖が主産業。震災当時は市中心部への道にがれきが散乱し孤立状態に。(河北新報社:2011/3/13より)
 
 

 唐丹地域
・唐丹は三陸リアス式海岸の親潮と黒潮の海流が交わる「わかめ」の生育に適した漁場。

・2012年3月8日、唐丹湾の養殖場で震災後初の養殖ワカメの収穫。
 褐色に輝くワカメが小白浜漁港に計約32トンを水揚げ。(河北新報社:2011/3/9より)
・高さ12.5mの巨大堤防が破壊される。
唐丹地区の被害動画はこちら
 
 

釜石元気隊
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  震災前の釜石市の写真も有り、お勧めのサイトです。
  

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