復興交付金のまとめと対象40事業一覧

復興交付金について
2011年11月下旬に決定した3次補正予算。そのうちの目玉である
復興交付金についてです。総事業費は1兆9307億円。
※ 随時更新、追記予定。
※ 最終更新:3/14

内容は復興のための基幹事業に相当する下記40項目の事業と、
それに付随する避難路の整備やバス路線の新設など関連事業を
全額国庫負担で行えるものです。
※ 復興交付金の対象となる事業一覧はこちら

復旧・復興には地方自治体では賄えない多額の費用が必要となるため、
全額国庫負担で行えるこの対象事業が主な復旧・復興事業となってきます。

特に復興の要となる土地区画整理、集団高台移転費用、漁業や農業施設の
整備、インフラ整備等が全額国費負担となったことで財源の目処が
立ち昨年末の復興計画の策定へとつながっていきました。

参考:既存の制度では集団高台移転費用は1/4自治体負担になっており、
   南三陸町では当事350億(NHKスペシャルより)。
   この財政負担の壁が自治体の復興計画策定を遅らせた大きな
   要因であることは疑いようがありません。

第1回復興交付金の申請額と交付額
第1回交付金対象事業の申請受付の締め切りは2012年1月末。
第1回配分額は3月2日に復興庁が通知。

岩手県:848億円申請。配分額は797億円(約94%)
宮城県:2016億円申請。配分額は1162億円(約57%)
福島県:875億円。配分額は505億円(約58%)

被災3県以外の配分額
青森県:15.7億円
栃木県:6.1億円
茨城県:21.9億円
千葉県:1.4億円

※ 1月末時点の申請は7県計78市町村から3899億円。
※ 3月2日の配分額通知は7県59市町村へ2509億円。配分の詳細はこちら
  国庫負担に地方負担分も含めた事業費ベースでは総額3053億円ですが、
  政府が特別な地方交付税で穴埋めして地方負担はゼロになります。
※ 各自治体の事業毎への詳細な配分額はこちら

第2回交付金対象事業の申請受付は3月末締め切り。

復興交付金の問題
全額国庫負担である半面、復興交付金は各自治体の復興事業が復興交付金対象の
事業に該当すると認定されない限り、国庫負担ではできないことを意味します。

そのため独自性がだせない、使い勝手が悪い、ひも付き補助金と
変わらないといった声が自治体側から寄せられ、失望感が広がっています。

特に宮城県や福島県では第1回交付金の配分額が申請額の約6割に止まった
ことを受け、宮城県村井知事はこれに強く抗議し「復興庁ではなく査定庁」
強く批判。また申請額が大きく削られた中、塩釜市、多賀城市、大崎市、南三陸町は
配分額が申請額を上回っている。
※ (毎日新聞:3/3より

福島県は第1回配分では津波による直接的な被害地域に限定され
放射能被害が認められず約6割にとどまった状況。

政府側の見解
政府側にも言い分はあり、平野達男復興相は「自治体が急いで申請したため
十分練れていない計画もあった。レジャー施設建設や被災していない地域の
道路の拡幅などの要望もあり、本当に必要な事業かさらに精査したい」。
朝日新聞:3/2より

平野復興相「今回は住まいと仕事に関わる事業を最優先とした。
(対象外の事業は)切り捨てたわけではなく、継続的に議論して検討を重ねたい」
河北新報:3/7より

さらに復興庁は「復興プランが、トータルの街づくりという“面”で
作られているかどうかを重視した」(復興庁の交付金担当者)。

つまり各事業が新たな街づくり全体から考えられているものは
2011~2012年度の申請分を上回る2013年度分の予算まで前倒しで
予算を配分されていることになります。

逆に「道路1本だけ」「学校だけ」といった点での申請が
「急いで申請したため十分練れていない計画もあった」という
平野復興相の言葉に相当し、はじかれている状況が伺えます。
週刊ダイヤモンド,3/13より

批判の一方で評価の声も
宮城県や福島県の配分額が申請額の6割に止まる一方、9割が認められた
岩手県知事は「緊急性を重視し、必要な事業を採択してもらった」と評価。
青森県知事も「復興の取り組みが加速することが期待される」と歓迎のコメント。
河北新報社:3/3より

また各々の復興事業をトータルの街づくりの観点から申請し認められた
自治体側からは「限りある財源のなかで、必要不可欠な部分は認めてくれた」と
復興庁を評価する声も少なくない。
週刊ダイヤモンド,3/13より

課題
復興交付金事業の申請には膨大な書類を作成する必要があり、政府は査定に
回るのではなく、申請段階から認定されるよう自治体と入念に
協議・調整するといった被災地寄りの姿勢が求められています。
 

復興交付金対象事業一覧
※ 各事業の概要はこちら

文部科学省所管
A-1 公立学校施設整備費国庫負担事業(公立小中学校等の新増築・統合)
A-2 学校施設環境改善事業(公立学校の耐震化等)
A-3 幼稚園等の複合化・多機能化推進事業
A-4 埋蔵文化財発掘調査事業

厚生労働省所管
B-1 医療施設耐震化事業
B-2 介護基盤復興まちづくり整備事業【新規】
(「定期巡回・随時対応サービス」や「訪問看護ステーション」の整備等)
B-3 保育所等の複合化・多機能化推進事業

農林水産省所管
C-1 農山漁村地域復興基盤総合整備事業
(集落排水等の集落基盤、農地等の生産基盤整備等)
C-2 農山漁村活性化プロジェクト支援(復興対策)事業
(被災した生産施設、生活環境施設、地域間交流拠点整備等)
C-3 震災対策・戦略作物生産基盤整備事業
(麦・大豆等の生産に必要となる水利施設整備等)
C-4 被災地域農業復興総合支援事業(農業用施設整備等)
C-5 漁業集落防災機能強化事業(漁業集落地盤嵩上げ、生活基盤整備等)
C-6 漁港施設機能強化事業(漁港施設用地嵩上げ、排水対策等)
C-7 水産業共同利用施設復興整備事業
(水産業共同利用施設、漁港施設、放流用種苗生産施設整備等)
C-8 農林水産関係試験研究機関緊急整備事業
C-9 木質バイオマス施設等緊急整備事業

国土交通省所管
D-1 道路事業(市街地相互の接続道路等)
D-2 道路事業(高台移転等に伴う道路整備(区画整理))
D-3 道路事業(道路の防災・震災対策等)
D-4 災害公営住宅整備事業
  (災害公営住宅整備事業、災害公営住宅用地取得造成費等補助事業等)
D-5 災害公営住宅家賃低廉化事業
D-6 東日本大震災特別家賃低減事業【新規】
D-7 公営住宅等ストック総合改善事業(耐震改修、エレベーター改修)
D-8 住宅地区改良事業(不良住宅除却、改良住宅の建設等)
D-9 小規模住宅地区改良事業(不良住宅除却、小規模改良住宅の建設等)
D-10 住宅市街地総合整備事業(住宅市街地の再生・整備)
D-11 優良建築物等整備事業(市街地住宅の供給、任意の再開発等)
D-12 住宅・建築物安全ストック形成事業(住宅・建築物耐震改修事業)
D-13 住宅・建築物安全ストック形成事業(がけ地近接等危険住宅移転事業)
D-14 造成宅地滑動崩落緊急対策事業【新規】
D-15 津波復興拠点整備事業【新規】
D-16 市街地再開発事業
D-17 都市再生区画整理事業(被災市街地復興土地区画整理事業等)
D-18 都市再生区画整理事業(市街地液状化対策事業)
D-19 都市防災推進事業(市街地液状化対策事業)
D-20 都市防災総合推進事業(津波シミュレーション等の計画策定等)
D-21 下水道事業
D-22 都市公園事業
D-23 防災集団移転促進事業

環境省所管
E-1 低炭素社会対応型浄化槽集中導入事業

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6 Responses to 復興交付金のまとめと対象40事業一覧

  1. 岩手県釜石市の復興支援の活動をたくさんしています。

  2. 佐々木拓雄 says:

    私は震災前から大槌町吉里吉里で商売をやっておりましたが、津波後は同じ町内でも各種支援義援等は差が有り過ぎです個人的には地元商店会長として商工会では現在監事、又青色申告会長の立場で有るがために自分より会員皆のためと頑張ってきたつもりですが、今1年半過ぎて自分の身を考えて見ますに、吉里吉里地区23商店会員は中少機構のも入店できず町長様の本家のみ仮設店舗でやっています、その現状を見るにつけ会員各店には大変力不足を感じて申し訳ないと思って居ります、グループ補助金もだめ、何もかも役場に行ってもたらいまわし、おまけに政治は被災地を忘れたような発言ばかり、今の日本には期待は無理だとおもっております。街中には何のボランティアか解らない人、車を見れば何でもらえるのか寄贈品の自動車が沢山走り、自分たちはさび付いた車を修理してやっと走ってるいるのに、考えさせられます。自分は区画整理事業地区なので1円の補助もなく税金は払わなくてはならないし、最近では使えない土地の税金が11月から払うように来ているし世の中異常だと思います私も後何日生きていく気力がもてるか自信がなくなりました、妻はとっくにうつ病発症し精神科に行ってます。生き抜く糧を教えてください。下らない事をお話して大変申し訳ありません、お金なくなりもう疲れました被災者全員もう金がないと思います。よく生きてると想います。

    • admin says:

      佐々木様、コメントありがとうございます。

      壊滅的被害にあった大槌町吉里吉里地区、
      商店主の方々の窮状を訴える貴重な情報
      だと思います。

      多くの方に見てもらえるよう、トップページから
      リンクを貼っておきました。

      グループ化補助金に関しては、復興と関係の薄い
      事業への復興予算の流用がなくなり、予算が今後も
      継続され、申請が通り、国からの手厚い支援が
      受けられることを願ってやみません。

      区画整理事業に関しても、今後本格化されるに伴い
      防災集団移転事業のように、震災の特例措置として
      支援制度が拡充されるよう、新政権には頑張って
      欲しいところです。

      後、ご存知とは思いますが、岩手県がグループ化
      補助金に申し込む事業計画の5次公募を現在受付中
      なのでリンクを貼っておきます。

      岩手県:グループ化補助金の受付案内ページへ

      最後に大変な状況の中恐縮ですが、メールアドレスに
      メッセージを送りましたので、もう少し詳しい
      事情をお聞きして、今後のサイト運営の方針の
      参考にさせてもらえれば幸いです。

      微力ながら企業、NPO、民間団体等による様々な
      復興支援プロジェクトの情報収集と紹介につなげ
      られればと思っています。

    • ゆうゆ says:

      佐々木様 はじめまして。佐々木様や皆様の現状を拝読して、ただただ絶句致しております。非力な個人ですが、何かできることがあったら至急なんとかしたいと思います。漠然と応援してただけなのが、申し訳ないです。

  3. 今、経産省、中小企業庁、更に県単の補助があります。このいずれも商工会などでは対応していません。対策としては、県の産業振興課に直接足を運び相談をすることが必要です。
    電話ではなく直接行く意味は、県の担当課では補助事業をすべて把握しているわけではないからです。書類作成を行う際の中小企業診断士は商工会を通じて依頼すると費用が掛からない場合があります。詳しくは、ご連絡いただければ多少のお力になれると思います。

  4. 佐藤うめ子 says:

    佐々木拓雄の元妻の佐藤うめ子です。
    夫は、今年の5月5日に仮設住宅にて
    心室細動のため倒れ救急搬送も虚しく
    力が尽きて亡くなりました。
    夫の、何かを成し遂げたいという思い
    に22年間支え、支援して来ました。
    私も体が丈夫な方ではないので、死に物狂いでした。
    今は、ただただ腹立たしいです。

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